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この記事でわかること
- 主治医意見書とは何か・認定調査との違い
- 意見書の5項目を「医師に伝える一言」に変換した早見表
- かかりつけ医がいないときの対処法
- 費用の目安と、意見書が遅いときの確認先
まず結論
主治医意見書の作成依頼は原則、市区町村が直接医療機関へ行います。ご家族がすることは、医師名・医療機関名・診療科など基本的な情報を申請書に書くことと、作成料は原則本人負担がないことを知っておくだけで足ります。
かかりつけ医がいなくても、要介護認定の申請自体は可能です。申請書の主治医欄に自己判断で何かを書き込む前に、まず市区町村や地域包括支援センターの窓口に相談してみましょう。市区町村が指定する医師の診断を受ける仕組みがあります。
「主治医意見書って何を書いてもらうものなの」「うちはかかりつけ医がいないけど大丈夫かな」――そんな疑問に、家族の視点でお答えします。
主治医意見書とは?認定調査・診断書との違い
主治医意見書は、介護が必要な状態かどうかを医学的な視点から判断する材料として、主治医が作成し市区町村へ提出する書類です。生活の様子を聞き取る「認定調査」とは役割が異なり、当日どんなことを聞かれ家族がどう準備すればよいかは要介護認定の基本調査74項目|当日聞かれることと家族の準備で解説しています。また、意見書を書く主治医が要介護度そのものを決めるわけではなく、判定に関わる人の全体像は要介護認定は誰が決める?判定に関わる6者の役割早見表つきで整理しています。
意見書に書かれる5つの項目|家族が診察室で伝える一言【早見表】

主治医意見書には、大きく5つの項目が記載されます。項目名だけでは分かりにくいので、診察室で医師にどう伝えればよいかという形の表にまとめました。
| 意見書の項目 | 医師が確認する内容(概要) | 診察室で伝える一言の例 |
|---|---|---|
| ①傷病に関する意見 | 診断名・症状の経過・認知症の有無など | 「最近○○と診断されました」「症状が急に変わった時期があります」 |
| ②特別な医療 | 点滴・褥瘡の処置・酸素療法など医療的な処置の有無 | 「自宅で点滴(経管栄養・酸素吸入など)をしています」 |
| ③心身の状態に関する意見 | 麻痺・関節の動き・褥瘡・認知機能の状態など | 「最近、転ぶことが増えました」「話がかみ合わないことが増えました」 |
| ④生活機能とサービスに関する意見 | 移動・栄養や食事の状態、今後起こりやすい状態と対処方針、サービス利用時の医学的な留意点など | 「一人で買い物や食事の準備がしづらくなりました」「デイサービスを週2回利用しています」 |
| ⑤特記すべき事項 | 上記に当てはまらない、伝えておきたい事情 | 「昼夜が逆転しています」「一人になると不安がることが増えました」 |
※出典:埼玉県「主治医意見書」/厚生労働省「主治医意見書記入の手引き」
あくまで一例です。実際にどう書くかは医師の判断によるため、「こう伝えれば介護度が上がる」というものではなく、日ごろの様子を正確に伝える参考としてご覧ください。
緊張して伝え忘れることもあるので、介護記録ノートに書き留めておくと診察でも慌てず伝えられます。
意見書は誰が用意する?申請時に必要な医師の情報
意見書の作成は、原則として市区町村が申請書に書かれた医師へ直接依頼します。家族が意見書を書いて持ち込む必要はありません。
申請時に必要なのは、次のような医師の基本情報です。
- 医師の氏名
- 医療機関名
- 診療科
- 医療機関の所在地・電話番号
これらは診察券やお薬手帳があれば、たいてい確認できます。
申請そのものの流れ(申請窓口・必要書類・認定までの期間の目安)は要介護認定の申請方法|7段階の区分と30日で認定される流れにまとめました。
費用はいくら?作成料は原則、市区町村が医療機関へ支払う
主治医意見書の作成料は、原則として市区町村が医療機関へ直接支払います。
金額は自治体によって幅がありますが、例として群馬県玉村町では、在宅の場合は新規5,500円・継続4,400円(税込)、施設の場合は新規4,400円・継続3,300円(税込)とされています(2025年12月掲載時点。出典:玉村町「介護保険主治医意見書作成手数料請求書について」)。金額は自治体ごとに定められており、全国一律ではありません。
一方、意見書作成のための診察や検査にかかる費用は、自治体や状況により自己負担になる場合があります。窓口や医療機関へあらかじめご確認ください。
かかりつけ医がいない・診てもらえないときの対処法

かかりつけ医がいなくても、要介護認定の申請自体は可能です。まずは次の3つのうち、当てはまるものから当たってみましょう。
かかりつけ医がいないときの対処法(選び方の目安つき)
- ①過去に受診したことがある医師に相談する……目安は概ね3か月以内に受診があるか(船橋市の例。基準は自治体により異なります)。それより前なら、申請前にあらためて受診しておくと安心です
- ②市区町村や地域包括支援センターに相談し、指定医について案内してもらう……①に当てはまる医師が思い浮かばないときはここへ
- ③新しくかかりつけ医を持ち、「要介護認定を申請する予定です」と伝えて診察を受ける……①②のどちらも難しいときの選択肢
船橋市の案内では、主治医意見書は「介護が必要となった直接の原因である病気を治療している医師又は現在のご本人の心身の状態がわかる医師」に作成してもらうのが基本とされ、主治医(かかりつけ医)がいない場合は申請前に受診する医療機関を探して決めておく必要があるとされています(出典:船橋市「主治医がいません。主治医意見書の依頼先はどうしたらよいですか。」)。受診の際は「市区町村から意見書の依頼が届く予定です」と医師に伝えておくとスムーズです。
しばらく受診していない医療機関を依頼先にした場合は、あらためて受診が必要になることがあります。受診が必要なのに受診しないと、意見書の作成が保留になり、認定結果の通知まで時間を要することもあるとされています(出典:船橋市「最近受診していない医療機関を主治医意見書の依頼先にできますか。」)。
受診歴があっても、前回の受診から相当な期間が経っている、近いうちに受診する予定がない、介護が必要になっている主な症状を診ている医師ではない、といった事情で、意見書の作成が難しいと判断されることもあります(出典:船橋市「要介護・要支援認定の申請」)。その場合は自分で次の病院を探す前に、まず窓口に相談してみましょう。
主治医がいないケースについては、介護保険法27条3項に基づき、市区町村が指定する医師の診断を受ける仕組みになっています(出典:e-Gov法令検索「介護保険法」)。
受診先の調整には数週間かかることもあります。その間、家事や身の回りのことに手が回らないときは、介護保険の枠外で家事支援を頼めるサービスも選択肢の一つです。
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複数の病院にかかっている場合、主治医は誰にする?
複数の科にかかっている場合は、本人の生活全体を把握し直近の受診がある医師に依頼するのが基本です。
母は整形外科と内科、もの忘れ外来にかかっていました。どの先生に頼めばよいか分からず市の窓口に相談すると、「普段の生活を一番よく知っている医師に頼むのがよい」とのこと。月に一度診てもらっていた内科の先生に依頼し、無事に書いてもらえました。※個人の体験・感想であり、効果・成果を保証するものではありません。
「専門科の先生に頼むべきでは」と思う方もいますが、意見書は生活全体の様子を重視するため、専門性より普段の状態をよく知っているかどうかが大切です。
意見書ができるまで遅いと感じたら、まず市区町村の窓口へ確認を
意見書の作成が遅れていると感じたら、医療機関でなく市区町村の介護保険担当窓口に確認するのが近道です。
要介護認定の結果は、申請日から原則30日以内に通知するとされています。ただし意見書の作成や認定調査に時間がかかる場合は、市区町村が理由と見込み期間を書いた「延期通知書」で期間を延ばせる仕組みです(出典:介護保険法27条11項)。
延期通知書が届いても、多くの場合は追加の対応は不要で、結果が出るまで待つよう案内されています。ただし長く受診していない場合は受診が必要になることがあります(出典:箕面市「要介護認定申請中に、延期通知書が届きました」)。不安なときは窓口に進捗を尋ねましょう。
よくある質問
Q. 意見書の内容は家族も見られますか?
A. 本人であれば、市区町村の情報開示の手続きを通じて意見書の内容を確認できる自治体が多いとされていますが、主治医の同意など条件がつく場合があります(例:尼崎市「要介護・要支援認定資料の情報開示」)。家族が見られるかどうかは自治体によって扱いが異なるため、気になる場合は担当のケアマネジャーや市区町村の窓口に確認してみてください。
Q. 入院中に要介護認定を申請する場合、意見書は入院先の病院の医師にお願いできますか?
A. 入院先の医師に依頼できることが多いですが、対応は自治体や病院により異なるため事前に確認しておくと安心です。
Q. 他県の医療機関にかかっている場合でも、意見書を作成してもらえますか?
A. 都道府県をまたいでいても依頼できるのが一般的ですが、自治体により対応が分かれるため窓口へ確認してください。
Q. 要介護認定の更新のときも、毎回意見書は必要ですか?
A. 更新のときも、原則としてそのつど新しい意見書が必要とされています。更新手続き全体の流れは要介護認定の有効期間と更新手続き|満了60日前からの流れで解説しています。
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まとめ|次にやること
- まず、直近(目安3か月以内)に受診している医師がいるか確認する。いなければ市区町村・地域包括支援センターの窓口に相談する
- 申請書には医師名・医療機関名・診療科など基本的な情報を書けばよく、意見書自体を家族が用意する必要はない
- 作成料は原則、市区町村が医療機関へ支払う。診察・検査費用は自治体・状況により異なる
- 医師に断られることもあるが、その場合も自分で次を探す前にまず窓口へ相談する
- 意見書が遅いと感じたら、まず市区町村の窓口に確認する
意見書は家族が直接書くものではありませんが、日ごろの様子を医師に正確に伝えることが適切な判定への近道です。まずは直近の受診歴がある医師がいるか確認するところから始めてみてください。
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