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この記事でわかること
- 申し立ての前にやっておく3つのこと
- 審査請求の流れと裁決までの期間
- 全国共通のルールと自治体で違うところ
この記事は、両親の介護と見送りを経験した水野そらが、法令と自治体・都道府県の一次情報をもとに編集しています。
まず結論
要介護認定の結果に不服があるときの正式な手続きは「審査請求」で、提出先は都道府県の介護保険審査会、期限は結果を知った日の翌日から3か月以内です(介護保険法第183条・第184条)。認定の手続きそのものに納得できないなら審査請求、本人の状態が実態と合わずサービスを増やしたいなら区分変更申請が目安になります。審査請求をしている間も、今の要介護認定は有効なままです。
「思っていたより軽い要介護度で通知が来た」「調査のときにうまく状態を伝えられなかった気がする」――要介護認定の結果を見て、モヤモヤした気持ちになったという声はよく耳にします。この記事では、不服申し立て(審査請求)の期限や流れ、もう一つの選択肢である区分変更申請との違い、そして結果を待つ間の過ごし方までを整理しました。
要介護認定の不服申し立て=「審査請求」の基本
要介護認定の結果に不服があるとき、法律上の正式な手続きは「審査請求」といい、提出先は都道府県ごとに置かれた介護保険審査会です(介護保険法第183条・第184条)。なお、法律では、市区町村が行う要介護認定などの決定そのものを「処分」と呼びます。
- 正式名称:審査請求
- 提出先:お住まいの都道府県の介護保険審査会
- 期限:処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(処分があった日の翌日から1年を過ぎると、原則としてできません)
- できる人:処分を受けた本人。委任状があれば代理人でも申し立てられます
期限や提出先は、東京都福祉局と神戸市がそれぞれの案内で明記しています(東京都福祉局/神戸市)。似た言葉に「認定調査のやり直し」がありますが、これは審査請求とは別の区分変更申請という手続きになります。まだ要介護認定そのものを受けていない、または申請の流れを確認したい方は要介護認定の申請方法|7段階の区分と30日で認定される流れもあわせてご覧ください。
審査請求と区分変更申請、どちらを選ぶ?

迷ったときの目安はシンプルです。認定の手続きや調査そのものに納得できないなら審査請求、本人の状態が実態と合わず早くサービスを増やしたいなら区分変更申請、3か月の期限を過ぎてしまったなら区分変更申請、と考えるとよいでしょう。
| こんなとき | 選ぶ手続き | 理由 |
|---|---|---|
| 認定調査や手続きのやり方に納得できない | 審査請求 | 処分に違法・不当な点がないかを審査してもらう手続きだから |
| 本人の状態が実態と合っていない・早くサービスを増やしたい | 区分変更申請 | 原則30日以内に新しい認定が出るため(介護保険法第29条第2項で準用する第27条第11項) |
| 結果を知ってから3か月を過ぎてしまった | 区分変更申請 | 審査請求は期限を過ぎると原則できないため |
区分変更申請は介護保険法第29条にもとづく手続きで、要介護認定を受けた人が「今の区分と実態が合わない」と感じたときに、市区町村へ変更の認定を申請できるものです。区分変更申請は認定をやり直す手続きなので、改めて認定調査・審査判定が行われ、結果として今より軽い区分になることもあります。なお、調査に日時を要するなどの特別な事情があるときは、市区町村が理由と見込み期間を知らせたうえで、30日を超えることもあります(同法第29条第2項で準用する第27条第11項ただし書)。要支援・要介護の区分そのものについては要支援と要介護の違いとは?分かれ目は2つ|8段階早わかり表で整理しています。
申し立ての前にやっておきたい3つのこと

審査請求を出す前に、①結果通知書を持って市区町村の窓口で理由の説明を受ける、②認定調査票・主治医意見書などの資料を見せてもらう、③ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する、の3つを済ませておくと、その後の判断がしやすくなります。
- 結果通知書を持って、市区町村の介護保険の担当窓口(介護保険課・高齢者福祉課など、名称は自治体で異なります)で判定の理由の説明を受ける
- 認定調査票・主治医意見書などの資料を見せてもらう(神戸市は郵送で取り寄せられる「資料提供制度」を設けています)
- ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、状況を整理してもらう
資料の開示には別途手続きが必要な場合があります(出典:愛知県)。窓口でどこまで見せてもらえるかは、その場で確認するとよいでしょう。
審査請求の流れと結果が出るまでの期間
審査請求は「審査請求書の提出→要件審査・受理→市区町村の弁明書→反論書→介護保険審査会の審理・裁決」という順で進み、裁決(=審査会の結論)が出るまでには数か月かかるのが一般的です。
- 審査請求書を提出する(提出先・提出方法・様式・部数はお住まいの都道府県で異なります)
- 都道府県で要件審査・受理が行われる
- 処分を行った市区町村が弁明書を提出する
- 請求人が反論書を提出できる
- 介護保険審査会が書面を中心に審理し、裁決を出す
裁決までの期間について、愛知県は「審査請求書を受理してから裁決までに少なくとも3か月程度。内容により3か月以上かかる場合もある」と公表しています(出典:愛知県)。全国一律の標準審理期間は定められていないため、あくまで一つの目安として捉えてください。
ここで押さえておきたいのは、審査の対象が「処分に違法または不当な点がないか」であって、介護度そのものを審査会が改めて判定し直すわけではないという点です。理由があると認められれば、裁決で処分の全部または一部が取り消され、市区町村が改めて処分をやり直します(出典:東京都福祉局)。また、「認定調査の項目の選び方がおかしい」「認定という制度自体が間違っている」といった、制度・基準そのものへの不服は審査会で扱えず、却下となる場合もあります(出典:愛知県)。
費用の有無や必要な書類は、お住まいの都道府県の介護保険審査会や市区町村の窓口で確認しておきましょう。
結果を待つ間、介護をどう回すか
審査請求をしている間も、今の要介護認定は有効なままです。つまり、結果が出るまでの数か月間も、これまでどおり介護サービスを使い続けられます。
審査請求は処分の適否を確認する手続きなので、結果が出るまでには時間がかかりますが、その間ずっとサービスが止まってしまうわけではありません。一方、区分変更申請を選んだ場合は、要介護認定の効力は申請のあった日にさかのぼって生じるとされています(介護保険法第29条第2項で準用する第27条第8項)。どちらの手続きを選んでも、結果が出るまでの間にいま使っているサービスがいきなり使えなくなるわけではありません。ただし区分変更申請では、新しい認定の結果次第で、これまで使えていたサービスの上限が変わることもある点は覚えておきましょう。
とはいえ、「今の区分では通院の付き添いや家事まで手が回らない」と感じることもあると思います。その場合、介護保険の枠にとらわれない訪問介護・家事代行サービスで足りない分を補うという選択肢もあります。認定を受けたことのメリットや、保険の内と外でできることの違いは要介護認定のメリットは?1〜3割負担だけじゃない8つの利点でも整理しています。
クラウドケア(CrowdCare)は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・京都府・兵庫県で介護保険外の家事・生活援助サービスを提供しています(一部非対応エリアあり。2026年8月時点)。料金は依頼内容や時間によって変わるため、具体的な金額は公式サイトで確認するのがおすすめです。上記エリア外にお住まいの場合は、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターで、総合事業や社会福祉協議会の生活支援について聞いてみてください。リンク先は公式サイトの案内ページで、依頼できる内容や対応エリアはページを開くだけでも確認できます。
全国共通で決まっていることと、自治体で違うこと
| 全国共通で決まっていること | お住まいの自治体で異なること |
|---|---|
| 審査請求ができる根拠(介護保険法第183条) | 審査請求書の提出方法(直接か市区町村経由か、電子申請の可否) |
| 提出先は都道府県の介護保険審査会(同第184条) | 審査請求書の様式・必要な部数・添付書類 |
| 期限は結果を知った日の翌日から3か月以内 | 裁決までの実際の期間(標準審理期間の定めはありません) |
| 区分変更申請の処分は原則申請日から30日以内 | 認定調査票・主治医意見書を見せてもらう手続きの名称・窓口 |
※本記事は2026年8月時点の一次情報にもとづいています。申し立てる際は、お住まいの都道府県・市区町村の窓口で最新の内容をご確認ください。個別の事情についての判断や有利・不利の見通しは、弁護士など専門家にご相談ください。
よくある質問
Q. 不服申し立てをしている間、今の介護サービスは使えますか。
A. 今の要介護認定はそのまま有効なので、審査請求の結果が出るまでも、これまでどおり使えます。
Q. 認定調査をやり直してもらうことはできますか。
A. 審査請求とは別に、区分変更申請をすれば改めて訪問調査が行われます。実態と合わないと感じるときはこちらの手続きが目安です。
Q. 本人が亡くなった後でも不服申し立てはできますか。
A. 取り扱いが分かれるため、お住まいの都道府県の介護保険審査会に確認することをおすすめします。
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まとめ
- 要介護認定の不服申し立ての正式名称は「審査請求」。提出先は都道府県の介護保険審査会
- 期限は結果を知った日の翌日から3か月以内(介護保険法第183条)
- 認定の手続きに納得できないなら審査請求、実態と合わずサービスを増やしたいなら区分変更申請が目安
- 審査請求中も今の認定は有効。結果を待つ間もサービスは使い続けられる
- 提出方法や裁決までの期間は自治体で異なるため、まずは窓口で確認を
まずは結果通知書を手元に、市区町村の介護保険の担当窓口(介護保険課・高齢者福祉課など、名称は自治体で異なります)へ問い合わせてみてください。それが、審査請求と区分変更申請のどちらを選ぶかを判断する、いちばん確かな一歩です。
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