介護費用を安くする4つの制度|高額介護サービス費・負担限度額認定の申請方法

介護費用を安くする4つの制度 介護・老人ホーム

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介護費用が高い、払えないと感じたら、申請すると費用が下がる制度が4つあります。まず下の早見表で、ご家族の状況に当てはまるものを確認してみてください。

どれが当てはまるか分からないときや、制度を使ってもなお払えないときは、担当のケアマネジャー、市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターに相談してみましょう。

(2026年10月時点・厚生労働省の資料をもとに解説)

施設への入居も考えている方は、施設探しの相談窓口もあります。

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介護費用を安くできる4つの制度

介護費用を安くできる制度は4つあります。まずは困りごとから、当てはまるものを探してください。

こんなとき 確認する制度 ポイント
在宅で毎月の自己負担が高い ① 高額介護サービス費 1か月の自己負担が上限を超えた分が戻る・申請の方法は市区町村で異なる
施設の食費・居住費が払えない ② 補足給付(負担限度額認定) 世帯全員非課税などの要件あり(預貯金等の基準も)・認定は更新が必要
低所得で社会福祉法人のサービスを使っている ③ 社会福祉法人等による軽減 原則1/4軽減・法人や市区町村によって異なる
医療費も重なっている ④ 高額医療・介護合算療養費 1年間の合計で上限を超えた分が支給(市区町村+医療保険者へ申請)
どれか分からない・それでも払えない ケアマネジャー・市区町村の介護保険窓口・地域包括支援センターに相談 使える制度を一緒に確認してもらえます

わたしも両親の施設を探していたとき、ケアマネさんに「申請しないと、使える制度があっても受け取れませんよ」と言われました。日本の介護保険は、要件を満たしていても申請しなければ適用されない“申請主義”です。

それぞれの制度を、申請方法も含めて順番に見ていきます。

介護費用を安くする4制度の使い方フロー図

① 高額介護サービス費(月ごとに戻ってくる)

高額介護サービス費 所得別上限額早見表

高額介護サービス費は、1か月間に支払った介護保険の自己負担額が一定の上限額を超えた場合に、超えた分を後から払い戻してもらえる制度です(厚生労働省・介護保険制度の概要より)。

在宅でも施設でも対象になります。

上限額の一覧(所得区分別)

所得区分 月額上限(個人) 月額上限(世帯)
生活保護受給者など 15,000円 15,000円
世帯全員が市町村民税非課税かつ年金収入等が82万6,500円以下など 15,000円 24,600円
世帯全員が市町村民税非課税(上記以外) — 24,600円
一般(課税所得380万円未満・年収の目安は約770万円未満) — 44,400円
課税所得380万円以上〜690万円未満 — 93,000円
課税所得690万円以上 — 140,100円

※厚生労働省の公表資料をもとに作成(2026年10月時点)。制度改定により変更される場合があります。最新の上限額は市区町村窓口または厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

申請方法・振込のタイミング

  • 初回は市区町村の介護保険担当窓口に申請(振込口座の届出)をします。2回目以降は指定口座へ自動で振り込まれると案内している自治体(福岡市・鹿児島市・千葉市など)があります
  • 申請書の受け取り方や振込の時期は市区町村で異なるため、お住まいの窓口で確認してください
  • 申請を忘れていた場合でも、2年以内であれば遡って申請できます。「もらえるはずだった」と気づいたら、すぐに窓口へ相談しましょう

対象外になるもの

以下の費用は高額介護サービス費の対象外です。

  • 施設の食費・居住費(日常生活費)
  • 差額ベッド代
  • 住宅改修・福祉用具購入の自己負担分
  • 支給限度額を超えた部分の自己負担分

「全部戻ってくる」と思い込まないよう、ご注意ください。

② 補足給付(負担限度額認定)|施設の食費・居住費を軽減

特別養護老人ホーム(特養)や老健など介護保険施設に入所している場合、食費と居住費は介護保険の対象外で全額自己負担となります。しかしこの「補足給付(特定入所者介護サービス費)」を使えば、所得・資産に応じて大きく軽減できます。

申請できる人の主な要件

以下のすべてを満たす必要があります(厚生労働省の基準をもとに作成)。

  1. 世帯全員が市町村民税非課税であること
  2. 配偶者(世帯分離していても)が市町村民税非課税であること
  3. 預貯金・有価証券等の資産が段階ごとの基準額以下であること

資産の基準は次のとおりです(参考・目安)。

負担段階 所得の目安 資産上限(単身/配偶者あり)
第1段階 生活保護受給者等 要件なし
第1段階 老齢福祉年金受給者 1,000万円 / 2,000万円
第2段階 年金収入+合計所得が82万6,500円以下(※) 650万円 / 1,650万円
第3段階① 年金収入+合計所得が82万6,500円超120万円以下 550万円 / 1,550万円
第3段階② 年金収入+合計所得が120万円超 500万円 / 1,500万円

※資産の基準額は毎年度見直しがあります。正確な基準は市区町村窓口でご確認ください(2026年10月時点)。

軽減後の食費・居住費の目安(1日あたり・令和8年8月改定)

負担段階 食費(施設) 居住費(ユニット型個室)
第1段階 300円 880円
第2段階 390円 880円
第3段階① 680円 1,370円
第3段階② 1,420円 1,470円

※厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の負担限度額の表(令和8年8月改定後)をもとに作成。居住費はユニット型個室の場合です。部屋のタイプによって金額が異なります。詳細は施設または市区町村にご確認ください。

計算の例(特養などに30日入所した場合の目安)です。食費の基準費用額は1日1,545円で、30日だと46,350円です。第2段階の負担限度額は1日390円で、30日だと11,700円。差は月34,650円になります(ショートステイの食費は別の金額で、第2段階は1日600円です)。

申請の方法・更新・行く前の準備

  • 申請先は市区町村の介護保険担当窓口です(郵送や電子申請に対応する自治体もあります)
  • 大田区では原則、申請を受理した月の初日から認定されます。入所が決まったら早めに申請を
  • 持ち物の例(名古屋市):申請書・同意書・介護保険被保険者証・本人と配偶者の預貯金通帳の写しなど。認定には有効期間があり、更新が必要です

まず窓口に電話して、「負担限度額認定の申請に何を持って行けばよいか」を聞いてみてください。

注意点として、次の紹介サービスは施設探しの相談窓口で、介護保険の申請手続きは代わりに進めません。

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注意点

  • 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は対象外です。補足給付が使えるのは、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院・ショートステイのみです
  • 認定には有効期間があり、更新が必要です。更新を忘れると、その間は通常の費用がかかりますのでご注意ください
  • 有料老人ホームを検討中の方は、この制度は使えませんが、前に説明した①高額介護サービス費が費用軽減の選択肢の一つになります

わたしの母が特養への入所を検討していたとき、市区町村の窓口でこの補足給付の話を初めて聞きました。「こんな制度があったなんて」と驚いたと同時に、もし知らなければ軽減を受けられないままだったかもしれないと思うと、申請の大切さを実感しました。

③ 社会福祉法人等による利用者負担軽減

低所得の方を対象に、社会福祉法人が運営する施設やサービスの利用料を軽減する制度です。介護保険の自己負担分・食費・居住費などが対象になり、原則として費用の1/4が軽減されます(老齢福祉年金を受給している方は1/2軽減)。軽減の範囲や割合は、法人や市区町村で異なる場合があります。

申請できる目安となる要件(例)

  • 世帯全員が市町村民税非課税
  • 年収(単身)が概ね150万円以下
  • 預貯金等(単身)が概ね350万円以下
  • 日常生活のための資産以外にめぼしい資産がない
  • 介護保険料の滞納がないこと など

※要件は市区町村によって異なります。詳細は必ずお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

この制度は、すべての社会福祉法人が実施しているわけではありません。利用を検討している施設が対象かどうか、事前に市区町村または施設に確認することをおすすめします。

④ 高額医療・介護合算療養費制度(1年間で合算)

医療保険と介護保険の両方を使っているご家庭向けの制度です。同じ世帯の中で、医療費と介護費用の自己負担額を1年間(8月〜翌7月)合算し、基準額を超えた分が支給されます(厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度」より)。

70歳以上の場合の年間限度額の例

  • 年収156万〜370万円程度:56万円
  • 年収370万〜770万円程度:67万円
  • 年収770万〜1,160万円程度:141万円

※所得区分によって異なります。詳細は加入している医療保険者(健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険など)または市区町村にご確認ください。

申請の流れは少し複雑で、2段階になります。

  1. まず市区町村(介護保険担当)で介護保険分の「自己負担額証明書」を取得する
  2. その証明書を持って加入している医療保険者(健保組合・協会けんぽ・国民健康保険の窓口など)に申請する

「医療費も介護費も両方かかっていて大変」という状況のご家族は、ぜひ忘れずに確認してみてください。

まとめ

  • 介護費用を下げる制度は「高額介護サービス費」「補足給付」「社会福祉法人等の軽減」「高額医療・介護合算療養費」の4つで、重ねて使える場合もある
  • 高額介護サービス費は、1か月の自己負担が上限を超えた分が戻る。初回に申請(口座の届出)が必要で、2回目以降は自動で振り込まれる自治体もある
  • 補足給付は施設入所時の食費・居住費を軽減する。世帯全員非課税などの要件と預貯金等の基準があり、認定は更新が必要
  • 社会福祉法人等の軽減は、法人や市区町村で異なるため、取り扱いの有無から確認する
  • 医療費も重なる年は、合算療養費を1年分(8月〜翌7月)でまとめて確認する

まずは担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険窓口に電話して、持ち物を聞いてから窓口へ行きましょう。

有料老人ホームなどを具体的に探し始めるときの相談先です。

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親の介護や費用の希望を書き残しておく、エンディングノートを探す方はこちらをご覧ください。

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この記事を書いた人

両親や義理の家族を見送った経験から「やさしい終活ガイド」を運営しています。特定の業者に偏らず、葬儀・お墓・相続の手続きなどの費用相場や流れを、公的な情報や一次情報をもとに中立にお伝えします。(相続・税・法律の個別のご相談は専門家へおつなぎします)

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