介護施設の紹介サービスとは?無料の仕組みと選び方

介護施設の紹介サービスとは?無料の仕組みと選び方 介護・老人ホーム

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この記事でわかること

  • 無料で使える理由=入居が決まったあとに施設側が手数料を払うから
  • 地域包括支援センターやケアマネジャーとの違い
  • メリットと注意点(提携先しか紹介されない など)
  • 信頼できる紹介会社かを自分で確かめる手順

この記事は、両親と義家族の見送りを経験した水野そらが、公的機関・業界団体・専門機関の一次情報をもとに編集しています。

まず結論

介護施設の紹介サービスは、条件を伝えると合う候補を集めて提案してくれるサービスです。入居希望者はほとんどの場合お金を払いません。入居契約の成約後に施設側から紹介会社へ手数料が支払われるためです。ただし紹介されるのは提携先に限られます。公的な窓口と併用し、届出のある会社かを確かめて使うのが安全です。

親の施設探しを始めると、「紹介センター」「紹介会社」という言葉をよく目にします。私も地域包括支援センターで一覧をもらいましたが、どこから見ればよいか分かりませんでした。

介護施設の紹介サービスはなぜ無料?費用は施設側が払う

紹介サービスが無料な理由 お金の流れ 施設から紹介会社へ手数料

利用者が無料なのは、費用を施設側が負担しているからです。入居契約が成約したのちに、ホーム(運営事業者)から紹介事業者へ紹介手数料が支払われ、ほとんどの場合、紹介事業者は入居検討者から費用を受け取っていません(出典:SOMPOインスティチュート・プラス 2025年5月28日)。

場面 お金の動き
相談・候補の紹介・見学の手配 原則なし
入居契約が成約したあと 施設 → 紹介会社へ手数料

個々の手数料の金額は公表されていません。施設と紹介会社の個別の取り決めで決まるためです。先ほどのレポートが挙げる高額な事例(100万円以上)は、相場ではありません。

「紹介センター」「紹介会社」「紹介業者」は呼び名が違うだけで、指すサービスはほぼ同じです。同じ会社が検索サイトと紹介サービスの両方を運営していることもあり、名前より「担当者が付いて提案してくれるか」で見分けます。

地域包括支援センター・ケアマネジャーとの違いは扱う範囲

違いは扱う範囲です。公的な窓口は制度やサービス全体を中立に案内し、紹介会社は提携先の民間施設から候補を出します。優劣ではなく役割の違いです。

窓口 費用 扱う範囲 向いている場面
地域包括支援センター 無料 介護保険と地域のサービス全般 何から始めるか分からないとき
ケアマネジャー 無料(介護保険) 本人の状態に沿った在宅サービス 本人の状況を踏まえたいとき
民間の紹介サービス 原則無料(施設側が負担) 提携している民間施設 短期間で候補を集めて比べたいとき

まず地域包括支援センターに相談し、民間の紹介サービスを併用するのが現実的です(対応範囲は自治体で異なります)。

特養など公的な施設は紹介会社の対象外が基本

紹介会社が扱うのは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設が中心です。特養のような公的な施設は、検索サイトに情報が載っていても、担当者が付いて入居まで橋渡しする「紹介」の対象には含まれないことが多いようです。特養の申し込みは、ケアマネジャーか市区町村の介護保険窓口で提出先を確認するのが確実です(特別養護老人ホーム(特養)の入り方)。老人ホームの種類と費用もあわせてご覧ください。

紹介サービスのメリット|候補集めの手間と時間が減る

  • 候補をまとめて出してもらえる……条件を伝えれば担当者が絞ります
  • 空室状況を把握している……今入れるかを聞けます
  • 見学の手配や同行……日程調整を任せられます
  • 利用者は原則無料……費用は施設側が負担します

知っておきたい注意点は3つ

注意点は3つあり、いずれも「施設側が手数料を払う」構造から生まれます。

  • 提携している施設しか紹介されない……契約のない施設は候補に出ず、地域の全体像とは一致しません
  • 相談員によって提案の幅が変わる……紹介事業に法律上の資格要件はないため、担当者の経験によって提案の内容が変わることがあります
  • 手数料が紹介先の選定に影響しうる……手数料は施設ごとに異なるためです

3点目には行政も動いています。厚生労働省は2024年12月6日付で「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」を改正し、有料老人ホームの側が守るべき事項として、たとえば入居希望者の介護度や医療の必要度などの状況・属性に応じて手数料を決めるといった、社会保障費の不適切な使われ方を助長すると誤解されるような手数料の設定を行わないこと、紹介事業者に対して月額利用料等に比べて高額な手数料と引き換えに優先的な入居希望者の紹介を求めないことを加えました(出典:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」(PDF)全国有料老人ホーム協会)。

ただしこの指針は、自治体が有料老人ホームを指導するための指針です。求められている相手は施設側であり、紹介会社を直接取り締まる法律ではありません。

あわせて、厚生労働省の「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」は2025年11月5日の取りまとめで、公益社団法人などが基準を満たした紹介事業者を優良事業者として認定する仕組みの創設を、対応の方向性に挙げました。この制度は2027年度以降に発足する見通しと報告されています(出典:SOMPOインスティチュート・プラス 2026年4月30日)。

出典が言えるのは「ほとんどの場合、紹介事業者は入居検討者から費用を受け取っていない」というところまでで、すべての会社が必ず無料とは言い切れません。申し込みの前か最初のやりとりで「利用者の費用負担はありますか」と確かめておくと確実です。

信頼できる紹介会社の選び方|業界団体の届出を検索する5手順

信頼できる紹介会社の確かめ方 業界団体の届出を検索する5手順

自分で客観的に確かめやすいのは、業界団体の届出リストに載っているかを検索することです。紹介事業そのものを対象にした許可や資格の制度は、2025年5月時点でありません(出典:先ほどのSOMPOのレポート「特段の法的規制がなく事業を開始しやすい」)。届出の有無が数少ない客観的な手がかりになります。

厚生労働省の老健事業「高齢者住まい入居者紹介事業の適切な事業運営に関する調査研究事業」(2025年度下半期)の紹介事業者向けアンケート(回答243者・自己申告)では、遵守項目のひとつ「紹介する施設の範囲」を守れていない事業者が約6割あったと報告されています(出典:同じくSOMPOインスティチュート・プラス)。

使うのは高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)の「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」です。前述の指針改正でも、施設が紹介事業者を選ぶときは、この制度に届出をして行動指針を守っている事業者を選ぶことが望ましいとされました(届出をするのは紹介事業者の側です)。手順は5つです。

  1. 高住連の届出紹介事業者検索ページを開きます
  2. 「入居希望都道府県」で絞ると、対応する事業者が一覧で出ます
  3. 会社名をキーワード欄に入れ、届出があるか確かめます
  4. 見つかったら公表項目を読みます。相談員数・契約ホーム数・相談拠点総数・紹介可能エリア・中心となる相談方法などが公表されています(出典:高住連「届出公表制度」
  5. 見つからなくても問題とは限りません。届出は任意です。その場合は契約施設の数を直接聞いてみてください

この検索ページには2026年8月18日時点で866件が掲載されていました(件数は変わるため最新は公式ページで確認を)。届出事業者が守る項目には「家賃・管理費等の自費部分に応じた平均的な紹介手数料から大幅に上振れした金額設定を行わない」なども含まれます(2025年1月以降)。

相談前に用意する3点と利用の流れ

相談の前に「予算・希望エリア・本人の状況」の3点をメモしておくと、初回の提案の精度が変わります。

用意するもの メモしておく内容
予算 毎月いくらまで出せるか(年金・貯蓄・家族の補助)
希望エリア 市区町村名。家族が通うなら通う人の出発地も
本人の状況 要介護度、認知症の診断の有無、持病や医療的ケア
  1. 電話・メール・フォームで問い合わせる
  2. 担当者が上記3点を中心に聞き取りをする
  3. 候補が提示され、見学の日程を調整してもらう
  4. 申し込みと契約は本人と家族が施設と直接行う
  5. 入居後の相談に応じてくれる会社もある

提案をそのまま受け入れる必要はありません。見学で何を見るかは介護施設の選び方|見学で確認すべきポイントにまとめました。

よくある質問

Q. 老人ホームの紹介料が高騰しているのはなぜですか?
A. 実額は公表されておらず、全体として上がっていると示すデータはありません。ただし介護度や医療の必要度に応じて手数料を設定することが問題視され、厚生労働省は2024年12月6日付で標準指導指針を改め、そうした設定を行わないことを施設側に求めました。

Q. 老人ホームの紹介をするのに資格は必要ですか?
A. 紹介事業そのものを対象にした許可や資格の制度は、2025年5月時点でありません(出典:先ほどのSOMPOのレポート)。だからこそ、届出があるかを検索ページで確かめておくと安心です。届出は任意なので、無くても問題があるとは限りません。

Q. 地域ごとの「老人ホーム紹介会社ランキング」は参考になりますか?
A. ランキングの多くは掲載する側が決めた基準によるもので、公的な順位づけではありません。地域で探すなら高住連の検索ページの「入居希望都道府県」で絞るほうが確実です。

まとめ

  • 無料なのは、成約後に施設側から紹介会社へ手数料が支払われるから
  • 公的窓口は中立に案内し、紹介会社は提携先から候補を出す。特養は対象外のことが多い
  • 注意点は「提携先しか紹介されない」「相談員によって提案の幅が変わる」「手数料が選定に影響しうる」
  • 高住連の届出検索で、その会社が届出をしているか自分で確かめられる

次にやることは1つです。気になる会社があれば、その名前で高住連の届出検索を引いてみてください。まだなら「予算・希望エリア・本人の状況」の3点をメモにまとめるところから始めましょう。

この記事を書いた人

両親や義理の家族を見送った経験から「やさしい終活ガイド」を運営しています。特定の業者に偏らず、葬儀・お墓・相続の手続きなどの費用相場や流れを、公的な情報や一次情報をもとに中立にお伝えします。(相続・税・法律の個別のご相談は専門家へおつなぎします)

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