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この記事でわかること
- 在宅介護の準備は「いつから」「何から」始めればよいか
- 介護用品が「レンタル」「保険で購入」「自費」のどれにあたるかの見分け方
- 認定結果を待つ間に揃えておきたい消耗品と、始まってから整える用品の違い
まず結論
介護ベッドや車椅子などの大きな福祉用具は、要介護度が確定してケアマネジャーとケアプランを立ててから検討するのが基本です。原則として介護保険の対象になる可能性があるため、認定前に自費で購入してしまうと後悔につながりやすいためです。一方、紙パンツや防水シーツなどの消耗品は、認定を待つ間から少しずつ揃えておいても差し支えありません。
退院が迫っている場合
「数日後には退院します」というように日程がすでに決まっている場合、大型の福祉用具は認定後に検討するのが原則とはいえ、悠長に待っていられないこともあります。そうしたときは、入院先の医療ソーシャルワーカー(相談員)や担当のケアマネジャーに、退院前から介護ベッドなどの搬入について相談できることがあります。自己判断で自費購入を急ぐ前に、「退院日が迫っている」ことをまず病院の相談窓口やケアマネジャーに伝えてみてください。
要介護認定は市区町村への申請から、厚生労働省の資料によると原則30日以内に結果が通知されます(申請の手順は要介護認定の申請方法で解説)。結果が出たらケアマネジャーとケアプランを作成し、そこから福祉用具レンタルなどの本格的な準備が始まります。
親の在宅介護を意識しはじめると、「何をどこまで揃えればいいのか分からない」という不安が真っ先にやってきます。私自身、終活にまつわる情報発信をする中で、介護用のベッドを認定前に自費で購入してしまい、後からレンタルできると知って驚いたというお話をよく耳にしてきました。この記事では、在宅介護の準備を「時期」と「お金の区分」の2つの軸で整理し、今買ってよいもの・まだ待つべきものを一緒に確認していきます。
なお、この記事で扱うのは主に「モノ(介護用品)」の準備です。ヘルパーやデイサービスといった「サービス」の使い方については、在宅介護サービスの種類と使い方の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

買う前に確認:介護用品は「レンタル・保険購入・自費」の3区分
在宅介護の用品は、大きく分けて3つの入手方法があります。この区分を知らずに自費で購入してしまうと、後から悔しい思いをすることがあるため、最初に確認しておきたいポイントです。
① 介護保険でレンタルできるもの(福祉用具貸与)
厚生労働省の資料によると、車椅子・特殊寝台(介護ベッド)・床ずれ防止用具・体位変換器・手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト・自動排泄処理装置などが、原則1〜3割の自己負担でレンタルできる「福祉用具貸与」の対象とされています。ただし、手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ以外の品目は、要支援や要介護1の方の場合は原則として給付の対象外とされており、身体状況によって例外もあるとされています。ご自身やご家族が対象になるかどうかは、担当のケアマネジャーにご確認ください。
② 介護保険で購入できるもの(特定福祉用具販売)
腰掛便座や入浴補助用具(入浴用いす等)、簡易浴槽、自動排泄処理装置の交換可能部品などは、直接肌に触れる・繰り返し使うといった理由からレンタルではなく「購入」の対象とされています。年間10万円までの枠内で、原則1〜3割の自己負担で購入できるとされています。こちらも対象品目や上限額の細かな取り扱いは自治体やケースによって異なる場合があるため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認しながら進めると安心です。
③ 自費で用意するもの(消耗品・日用品)
紙パンツや防水シーツ、清拭用のタオル・シート、使い捨て手袋といった消耗品は、介護保険の対象にはならず、基本的に自費で用意することになります。金額は比較的小さいものが多いため、認定結果を待つ間から少しずつ揃えておいても無理がない部分です。

フェーズ別チェックリスト①:認定結果を待つ間に揃える消耗品
要介護認定の結果が出るまでの間は、大きな福祉用具の準備を急ぐ必要はありませんが、日々の介護に欠かせない消耗品は先に整えておくと安心です。
| 品名 | 数量目安 | どこで買えるか |
|---|---|---|
| 大人用紙パンツ・パッド類 | サイズや吸収量はメーカーによって目安が異なるため、まずは少量パックで試す | ドラッグストア、ホームセンター、ネット通販 |
| 防水シーツ・介護用シーツ | 洗い替えを考えて数枚あると安心 | ドラッグストア、ホームセンター、ネット通販 |
| 清拭用のタオル・使い捨てシート | 普段使う分に加えて予備を少し多めに | ドラッグストア、ホームセンター |
| 使い捨て手袋・マスクなどの衛生用品 | 箱単位でまとめ買いしておくと安心 | ドラッグストア、ホームセンター |
| 消毒液・ウェットティッシュ | 手元用・持ち歩き用の2種類あると便利 | ドラッグストア、ホームセンター、ネット通販 |
この段階で介護ベッドや車椅子のような高額な福祉用具を自費で購入してしまうと、認定結果によってはレンタルで賄えたはずのものに二重の負担をかけてしまう可能性があります。大型の用品は、認定結果とケアプランが決まってからの検討をおすすめします。用品選びは本人のためだけでなく、介護する家族の腰や睡眠時間を守る道具も基準に入れておきましょう。
フェーズ別チェックリスト②:在宅介護が始まったら整えるシーン別用品
ケアプランが決まり、実際に在宅介護が始まると、日常生活のシーンごとに必要な用品が見えてきます。ここでは代表的な4つのシーンと、あわせて検討されることが多い用品を簡単にご紹介します。
食事
持ちやすい介護用の食器や、食べこぼしを軽減する工夫がされたエプロンなどがあります。誤嚥が心配な場合は、自己判断で対策を進めるのではなく、言語聴覚士や医師に相談しながら食形態や道具を選ぶことが大切です。
- 持ちやすい形状の介護用スプーン・フォーク
- 食べこぼしを軽減するエプロン・食事用エプロン
- 傾けやすい介護用コップ・すべりにくい食器
移動
屋内では手すりや歩行器、屋外の外出にはシルバーカーなど、移動を支える用品です。前述のとおり、手すりや歩行器は要支援・要介護1の方でもレンタル対象になりやすい品目とされています。
- 屋内用の手すり
- 歩行器・歩行補助つえ
- 屋外の外出を支えるシルバーカー
服薬・安全
飲み忘れ・飲み間違いを防ぐお薬カレンダーの選び方や「誰が管理するか」の整理も、大切なポイントです。火の不始末が心配な場合の対策グッズなどもあります。「これで事故を防げる」といった断定はできませんが、リスクを減らす工夫として取り入れている家庭が多いようです。テレビの音が大きくなった、聞き返しが増えたといった聞こえの変化が気になる場合は、集音器と補聴器の違いも意識しておくとよいでしょう。
- 飲み忘れ・飲み間違いを防ぐお薬カレンダー・ピルケース
- 火の不始末が心配なときの安全グッズ
- 聞こえの変化が気になるときの集音器
見守り
離れて暮らす家族の場合は、見守りカメラやセンサー機器を検討することもあります。プライバシーへの配慮も踏まえ、本人としっかり話し合ったうえで導入することが望ましいとされています。
- 見守りカメラ
- 人感センサー・活動量センサー
- 緊急時に知らせる通報装置
在宅での介護は、ご家族だけで抱え込むと負担が大きくなりがちです。介護保険サービスに加えて、保険外で外出付き添いや家事支援などを柔軟に依頼できるサービスを組み合わせている家庭もあります。
よくある質問
Q. 退院までに時間がなく、認定結果も出ていません。何を優先すればいいですか?
A. まずは紙パンツや防水シーツなどの消耗品を用意しつつ、介護ベッドなど大型用品の搬入については病院の相談員やケアマネジャーに早めに相談するとよいとされています。
Q. 大人用紙パンツはどこで買うのがいいですか?
A. ドラッグストアやホームセンター、ネット通販などで購入できます。サイズや吸収量が体に合うか分からないうちは、まず少量パックで試すと無駄になりにくいとされています。
Q. この用品は介護保険の対象になるのか自分では判断がつきません。どうすればいいですか?
A. 品目や要介護度によって対象の可否が変わるため、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに確認しながら進めるのが安心です。
まとめ:チェックリストを手に、まずは地域包括支援センターへ
在宅介護の準備品は、「今すぐ必要な消耗品」と「認定・ケアプランを待ってから検討する大型用品」を分けて考えることが、無駄な出費と後悔を防ぐ一番のポイントです。介護保険でレンタル・購入できるものと、自費で揃えるものの違いを知っておくだけでも、当日の慌ただしさはかなり変わってきます。
迷ったときは一人で抱え込まず、まずはお近くの地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみてください。個別の状況に合わせたアドバイスをもらいながら、少しずつ準備を進めていきましょう。
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