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この記事でわかること
- シルバーカーと歩行器の違い、介護保険が使えるかどうか
- シルバーカーの種類と、失敗しない5つの選び方
- 親がシルバーカーを嫌がる理由と、無理強いしない勧め方のコツ
まず結論
シルバーカーは荷物を運びながら歩行を支える手押し車で、介護保険の福祉用具貸与の対象品目には含まれておらず、原則として自費での購入になります。一方、体を支える構造を持つ「歩行器」は介護保険のレンタル対象になり得ます。どちらが合うかは体の状態によって異なるため、迷ったときはケアマネジャーや地域包括支援センターに確認してみましょう。また、親がシルバーカーを嫌がる場合、その理由の一部は「体に合っていない」「重くて使いにくい」といった製品ミスマッチにあることも多いようです。
「駅前のスーパーまで歩くのがしんどそう」「最近つまずくことが増えた気がする」——そんな親の様子を見て、シルバーカーが頭に浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、終活にまつわる情報発信をする中で、「シルバーカーを勧めたら『年寄り扱いしないで』と怒られてしまった」という声をたびたび耳にしてきました。この記事では、シルバーカーの種類や選び方のポイントに加えて、本人の気持ちに寄り添いながら無理なく勧めるためのコツも一緒に整理していきます。

失敗しない選び方5つのチェックポイント
「せっかく買ったのに使ってもらえなかった」という声の多くは、体格や生活環境に合っていないことが原因のようです。次の5つのポイントを確認してから選ぶと、ミスマッチを防ぎやすくなります。
① ハンドルの高さ
ハンドルが合っていないと、前かがみになって歩きにくくなったり、逆に姿勢が反りすぎてしまったりします。目安として「身長÷2+5〜15cm程度」とされることが多いようですが、メーカーによって基準が異なるため、可能であれば実店舗で実際に握って確認するのがおすすめです。
私自身、量販店の介護用品コーナーで、母の身長に近い高さに合わせて何台か押し比べてみたことがあります。ハンドルの高さが合っていない一台は、数メートル押しただけで手首や肩に余計な力が入るのがすぐに分かりました。逆に高さの合った一台は驚くほど軽い力でまっすぐ進み、「これなら親にも勧めやすい」と実感したのを覚えています。
② 本体の重さ
軽ければ押しやすい一方、軽すぎると段差での安定性が下がることもあります。普段の外出ルートに坂道や段差が多いかどうかも踏まえて選びましょう。
③ キャスターの大きさ
キャスターが小さいタイプは小回りが利きやすい反面、段差や砂利道でつまずきやすいことがあります。近所の歩道の状態も選ぶ際の判断材料になります。
④ ブレーキの利き方・操作しやすさ
握力が弱くなっている場合、軽い力で確実に利くブレーキかどうかは重要な確認ポイントです。実際に手を添えて操作してみることをおすすめします。
⑤ 使う場所(坂道・階段が多い環境かどうか)
シルバーカーは平坦な道での使用を想定した製品が多く、坂道や階段が多い環境では歩行の支えとして十分に機能しない場合があります。生活環境によっては、シルバーカーよりも歩行器や杖のほうが適していることもあるため、迷ったときは専門家に相談してみてください。
シルバーカーの種類と特徴
シルバーカーにはいくつかのタイプがあり、使う場面によって向き不向きがあります。特徴を表にまとめました。
| タイプ | 特徴 | 重さの傾向 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| コンパクトタイプ | 折りたたみやすく、玄関先での出し入れがしやすい。収納力は控えめなことが多い | 軽量 | 電車やバスでの外出が多い人 |
| ミドルタイプ(標準タイプ) | 安定性と収納力のバランスがとれた、店頭でもよく見かけるタイプ。座面付きモデルも多い | 標準的 | 疲れたときに一休みしたい人 |
| ボックス・ワゴン型/ショッピングカート型 | 収納力を重視したタイプ | やや重くなる傾向 | 買い物の荷物が多い人 |
価格帯と購入方法|介護保険レンタルはできる?
シルバーカーの価格は、実売でおおむね1万円前後〜4万円台程度という価格帯が多いようです。素材や機能(座面の有無、収納力、軽量素材の使用など)によって幅があります。
ここで気になるのが「介護保険は使えるのか」という点です。体を支える構造を持つ「歩行器」は、厚生労働省の福祉用具・住宅改修に関する資料によると、車椅子や特殊寝台(介護ベッド)などと並んで介護保険の「福祉用具貸与」の対象品目に含まれ、要支援や要介護1の方でも比較的レンタルしやすい品目とされています。一方でシルバーカーは、体を支える構造を持たないためこの13品目には含まれておらず、原則として自費での購入になります。「歩行器もシルバーカーも似たようなものでは」と思われがちですが、制度上の扱いはまったく異なります。
ただし、自治体によっては高齢者の外出支援を目的とした独自の購入補助金制度を設けている例があります。制度の有無や内容は年度により変わることもあるため、お住まいの自治体の窓口やケアマネジャーに確認してみるとよいでしょう。
「うちの親には歩行器とシルバーカーのどちらが合うのか分からない」という場合は、自己判断で決めてしまわず、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら選ぶことをおすすめします。要介護認定の申請方法については、要介護認定の申請方法|7段階の区分と30日で認定される流れの記事もあわせてご覧ください。
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「年寄り扱いしないで」——親がシルバーカーを嫌がる理由
せっかく用意しても、親から「まだそんなものは要らない」「年寄り扱いしないで」と言われてしまうことは少なくないようです。背景には、いくつかの理由が重なっていることが多いようです。
ひとつは、シルバーカーという見た目や呼び方そのものが「高齢者・要介護」というイメージと結びつきやすく、自尊心や自立心を刺激してしまうことです。もうひとつ見落とされがちなのが、過去に人から借りたり試したりしたシルバーカーが体に合わず、「重くて押しにくかった」「まっすぐ進まなかった」という経験から、シルバーカーそのものへの苦手意識ができてしまっているケースです。つまり、嫌がる理由の一部は、本人の気持ちの問題だけでなく、製品自体が体に合っていなかった「ミスマッチ」にあることもあるのです。前の章でご紹介した選び方のポイントを踏まえて選び直すだけで、印象が変わることもあります。
嫌がる親への勧め方6つのコツ
大切なのは、本人の自尊心や自立心を尊重しながら、無理強いせずに検討してもらうことです。次のような工夫が助けになるようです。
① 呼び方を変えてみる
「シルバーカー」という呼び方に抵抗がある場合は、「お散歩カート」「ショッピングカート」など、別の呼び方で紹介してみるのもひとつの方法です。
② 本人に選んでもらう
家族が先に決めてしまうのではなく、カタログや店頭で本人に選んでもらうことで、「自分で決めた」という納得感につながりやすくなります。
③ デザインから入る
機能の説明より先に、色やデザインの好みから話を始めると、抵抗感が和らぐことがあるようです。
④ スーパーのカート等で疑似体験してもらう
普段使っているショッピングカートと似た感覚で使えることを、実際に体験してもらいながら伝えるのも効果的なようです。
⑤ ケアマネジャーや理学療法士など第三者の力を借りる
家族の言葉より、専門職からのすすめのほうが本人に受け入れられやすいことがあります。担当のケアマネジャーや、リハビリを担当する理学療法士に相談してみるのもひとつの方法です。
⑥ 無理強いせず、代替案も尊重する
それでも本人が使いたがらない場合は、無理に押し切らないことも大切です。杖など別の選択肢を希望する場合は、その意思を尊重しながら、必要に応じて専門家を交えて検討していくとよいでしょう。
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よくある質問
Q. 介護保険でレンタルしている歩行器から、シルバーカーに切り替えることはできますか?
A. 用途や適用条件が異なるため、まずは担当のケアマネジャーに相談し、身体状況に合わせて見直しを検討するとよいとされています。
Q. 雨の日でもシルバーカーは使えますか?
A. 濡れた路面はキャスターが滑りやすくなるため、無理をせず使用を控える判断も選択肢の一つです。使用する場合は、レインカバーで本体や荷物の濡れを防ぎつつ、滑りやすい場所を避けるなど慎重な取り扱いが勧められています。
Q. 中古やフリマサイトでシルバーカーを購入しても問題ありませんか?
A. ブレーキの利きやキャスターの摩耗は写真だけでは分かりにくいため、可能であれば実店舗で状態を確かめてから選ぶことが勧められています。
まとめ
- シルバーカーは歩行を支える手押し車で、介護保険の対象外のため原則自費購入
- 体を支える必要があれば「歩行器」としてレンタルできる場合もある
- 選び方の基準を確認するとミスマッチを防ぎやすい
- 嫌がる理由の多くは製品ミスマッチ。工夫次第で印象は変わる
迷ったときはケアマネジャーへの相談も検討してみてください。
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