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この記事でわかること
- 介護保険の仕組みと財源・被保険者の区分
- 親の自己負担割合の調べ方と2・3割になる条件
- 子が代わりに申請できるか、5ステップの流れ
まず結論
介護保険は40歳以上が加入し、原則1割負担でサービスを使える公的制度です。ただし所得によって2〜3割になり、要介護度ごとに使える上限額(区分支給限度額)が決まっています。「介護保険があれば安心」は半分正解——限度額を超えた分は全額自己負担になるため、事前に仕組みを理解しておくことが親の介護準備の第一歩です。
「親が転んで入院した。退院後に介護が必要かもしれない」——そう突然告げられた日、わたしは介護保険のことを何も知りませんでした。健康保険とは別に保険料を払ってきたはずなのに、どう使うのか、いくら負担するのか、まったくわからなかったのです。この記事では、同じ状況の子世代の方に向けて、仕組みから自己負担割合の調べ方、申請の流れまでを整理します。
介護保険とは——財源と被保険者の基本を押さえる

介護保険は2000年に始まった公的制度で、財源は公費50%・保険料50%で成り立っています(厚生労働省「介護保険制度の概要」)。保険料の半分は40〜64歳(第2号)、残り半分は65歳以上(第1号)が負担します。
| 区分 | 対象年齢 | 保険料 | 使える条件 |
|---|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 65歳以上 | 年金から天引き(全国平均月額約6,000円前後・2024年度) | 要介護・要支援と認定されれば原因を問わず利用可 |
| 第2号被保険者 | 40〜64歳 | 医療保険と合わせて徴収 | 16特定疾病(関節リウマチ・初老期認知症など)が原因の場合のみ利用可 |
子世代が気をつけたいのは「第2号は原則として介護保険を使えない」という点です。親が65歳未満の場合、特定疾病に該当するか確認が必要です。
自己負担割合——親が2割・3割になる条件と調べ方
介護保険サービスの利用者負担は原則1割ですが、所得によって2割・3割に上がります。割合は市区町村が毎年判定し「負担割合証」として郵送されます。
| 負担割合 | 判定の目安(単身・第1号被保険者) |
|---|---|
| 1割 | 合計所得160万円未満、または年金収入+その他合計所得が単身280万円未満 |
| 2割 | 合計所得160万円以上かつ年金収入+その他合計所得が単身280万円以上 |
| 3割 | 合計所得220万円以上かつ年金収入+その他合計所得が単身340万円以上 |
※自己負担割合の判定は「合計所得金額」と「年金収入+その他合計所得の合計額」の両方を組み合わせて市区町村が判定します。合計所得が160万円以上でも、年金収入等との合算が単身280万円未満の場合は1割に戻る仕組みです。正確な判定は「介護保険負担割合証」または市区町村の窓口でご確認ください。所得基準は制度改正で変わる場合があります。最新情報は厚生労働省公式またはお住まいの市区町村へ。
子が「親の負担割合を知りたい」場合は、親の手元に届いている「介護保険負担割合証」を確認するのが最短ルートです。毎年8月に更新されるため、古いものを参照しないよう注意してください。年度をまたいで割合が変わることもあります。
注意:負担割合証は毎年発行されます。「昨年1割だったから今年も大丈夫」とはいえません。確定申告の内容や年金収入の変化で翌年度から変わることがあります。
区分支給限度額——使える上限を要介護度で確認する

介護保険では要介護度ごとに「1か月に使える上限額(区分支給限度額)」が決まっています。上限内なら1割(または2・3割)負担、上限を超えた分は全額自己負担です。「介護保険で全部まかなえる」は誤解で、サービスが多ければ限度額を超えることも珍しくありません。
| 要介護度 | 区分支給限度額(月額・目安) | 1割負担の実額 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約5万円 | 約5,000円 |
| 要支援2 | 約10.5万円 | 約10,500円 |
| 要介護1 | 約16.7万円 | 約16,700円 |
| 要介護2 | 約19.7万円 | 約19,700円 |
| 要介護3 | 約27万円 | 約27,000円 |
| 要介護4 | 約30.9万円 | 約30,900円 |
| 要介護5 | 約36.2万円 | 約36,200円 |
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」(公式ページ)。金額は1単位=10円換算の概算(2024年度時点)。地域によって単位単価が異なります。最新は公式でご確認ください。
限度額を超えた場合の費用軽減制度として「高額介護サービス費」や「補足給付(特定入所者介護サービス費)」があります。詳しくは介護費用を安くする4つの制度(記事035)をご覧ください。
申請の流れ——子が代わりに動けるか?5ステップ概要
- 市区町村の窓口または地域包括支援センターに申請(本人・家族・代理人が可)
- 訪問調査——認定調査員が自宅や病院を訪問し心身の状態を確認
- 主治医の意見書——市区町村が主治医に依頼(申請者が手配不要な場合が多い)
- 審査・判定——コンピュータ判定+介護認定審査会の審査
- 認定通知——申請から原則30日以内に結果が届く
子が代わりに申請できます。家族・親族は代理申請が可能で、委任状なしで申請を受け付ける自治体がほとんどです。窓口に行く際は申請者(親)の介護保険被保険者証と、子自身の身分証明書を持参しましょう。申請の詳細手順は要介護認定の申請方法(記事033)で解説しています。
不服がある場合は、認定通知を受け取った日から3ヶ月以内に都道府県の介護保険審査会へ審査請求(不服申立)ができます。「想定より軽い認定だった」と感じたら期限内に相談してください。
サービスの種類——在宅・施設・地域密着の3分類
介護保険サービスは大きく3つに分かれます。
- 在宅サービス:訪問介護・通所介護(デイサービス)・短期入所(ショートステイ)など
- 施設サービス:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設など
- 地域密着型サービス:小規模多機能型居宅介護・認知症対応型グループホームなど
在宅・施設の詳しい選び方は在宅介護サービスの種類と使い方(記事034)、施設の費用比較は老人ホームの種類と費用(記事031)をご覧ください。
母の退院時、負担割合証を確認したら1割でほっとしました。でも翌年、確定申告の修正で2割に変わっていて驚きました。毎年更新されると知っていれば焦らなかったと思います。※個人の体験・感想であり、効果・成果を保証するものではありません。
よくある疑問(FAQ)
- Q. 介護保険証(被保険者証)はいつ届く?
- 65歳の誕生日前後に市区町村から自動送付されます。紛失した場合は窓口で再発行できます。
- Q. 認定を受けていなくてもサービスを使える?
- 介護保険サービスを使うには要介護・要支援の認定が必要です。認定前に緊急でサービスが必要な場合は、自費または市区町村の緊急サービスを確認してください。
要介護認定の申請方法は要介護認定の申請方法、在宅サービスの使い方は在宅介護サービスの種類と使い方、仕事と介護の両立に不安がある方は介護離職を防ぐ制度まとめもあわせてご覧ください。
まとめ
- 介護保険は公費50%・保険料50%の公的制度。65歳以上(第1号)と40〜64歳(第2号)で利用条件が異なる
- 自己負担割合は原則1割。所得によって2割・3割になり、負担割合証で毎年確認が必要
- 区分支給限度額を超えた分は全額自己負担——「介護保険で全部まかなえる」は誤解
- 申請は子が代理でできる。認定通知は原則30日以内、不服申立は3ヶ月以内
制度の輪郭が見えたら、次は親の状況に合わせてサービスや施設を具体的に比較するステップへ。資料を取り寄せて、家族で一緒に検討してみてください。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。制度の詳細・最新の金額は厚生労働省の公式ページでご確認ください。個人の状況によって異なる場合があります。
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