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この記事でわかること
- 葬祭費と埋葬料の違い、自分がどちらの対象になるかの見分け方
- 葬祭費・埋葬料それぞれの申請先・必要書類・申請期限
- 直葬の場合や相続放棄をした場合など、申請前に確認しておきたい注意点
まず結論
故人が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合は「葬祭費」(自治体により1万円〜7万円程度が目安。例:大阪市5万円、練馬区7万円)、健康保険(協会けんぽ・組合健保など)の被保険者だった場合は「埋葬料」(一律5万円)が支給される仕組みです。申請期限は原則として葬儀を行った日の翌日から2年以内で、期限を過ぎると原則として受け取れなくなりますので、早めの手続きをおすすめします。2026年7月時点の情報です。金額や取り扱いは自治体・保険者により異なるため、詳細は窓口にご確認ください。
身内を亡くしたあと、葬儀費用の負担にひと段落ついたころに「実は公的医療保険からお金が戻ってくる制度がある」と知って驚く方は少なくありません。私自身も、終活にまつわる情報発信をする中で、葬儀後の手続きについて「知らずに申請期限が過ぎてしまった」という声を聞くことがあります。この記事では、葬祭費・埋葬料という2つの制度の違いと、それぞれの申請方法を整理してお伝えします。
葬祭費・埋葬料とは|亡くなった人の保険で決まる
葬祭費も埋葬料も、故人が生前に加入していた公的医療保険から、葬儀を行った人(喪主など)に支給されるお金です。ただし、故人がどの保険に加入していたかによって、名称も金額も申請先も変わります。まずはこの前提を押さえておきましょう。
葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療制度)
故人が国民健康保険、または後期高齢者医療制度に加入していた場合に、お住まいの市区町村から支給されるのが「葬祭費」です。金額は自治体によって異なり、1万円〜7万円程度が目安とされています。例えば大阪市では5万円、練馬区では7万円が支給されます(2026年7月時点)。お住まいの自治体によって金額が異なりますので、正確な金額は自治体窓口にご確認ください。
埋葬料(健康保険)
故人が会社員・公務員などで、協会けんぽや健康保険組合といった健康保険の被保険者だった場合に支給されるのが「埋葬料」です。こちらは加入先にかかわらず一律5万円とされています。
埋葬費との違い
「埋葬料」と似た名称に「埋葬費」という制度もあります。これは、埋葬料を受け取れる遺族(生計を維持されていた家族など)がいない場合に、実際に埋葬を行った人に対して、実費相当額(上限5万円)が支給されるものです。対象になるケースは限られますので、該当するかどうかは協会けんぽや加入していた健康保険組合に確認するとよいでしょう。

どちらがもらえる?判断のポイント
葬祭費と埋葬料は、故人が加入していた保険の種類によってどちらか一方が決まる仕組みで、原則として両方を同時に受け取ることはできません(併給不可)。まずは故人の保険証を確認し、国民健康保険・後期高齢者医療制度だったか、健康保険だったかを確認することが最初のステップになります。
注意したいのは、退職後まもなく亡くなった場合です。協会けんぽの規定では、例えば健康保険の資格喪失後3ヶ月以内に亡くなった場合など、一定の条件を満たせば埋葬料が受け取れる場合があるとされています。ただし条件は個々の状況により異なるため、一般的な説明にとどめ、詳しい要件については加入していた保険者に確認することをおすすめします。
葬祭費の申請方法
葬祭費は、お住まいの市区町村の国保年金課などの窓口で申請します。必要書類は自治体により多少異なりますが、一般的には次のようなものが求められます。
- 故人の保険証(返却が必要な場合あり)
- 葬儀の領収書、または会葬礼状など葬儀を行ったことがわかる書類
- 申請者(喪主など)の身分証明書
- 申請者名義の振込先口座情報
申請期限は、原則として葬儀を行った日の翌日から2年以内です。期限を過ぎると原則として受け取れなくなるため、忘れないうちに手続きすることをおすすめします。振込までの期間は、自治体によって差はありますが、1〜1.5ヶ月程度が目安とされています。
埋葬料の申請方法
埋葬料は、故人が加入していた協会けんぽ、または健康保険組合に申請します。申請書には事業主の証明が必要になる場合があり、勤務先の総務・人事担当者が手続きを代行してくれるケースもあります。まずは故人の勤務先や加入していた健康保険組合に、申請書の様式や必要書類を確認するとスムーズです。
死亡後の手続きは葬祭費・埋葬料以外にも多岐にわたります。全体像を把握しておきたい方は、死亡後の手続き一覧もあわせてご確認ください。

申請前に知っておきたい注意点
直葬・火葬式は対象外のことがある
葬祭費・埋葬料は、通常「葬儀を行ったこと」を前提とした制度ですが、自治体によっては直葬・火葬式の場合に対象外となることがあります(例えば横浜市では、葬儀を行わず火葬のみを行った場合は対象外とする案内をしています)。直葬を選ぶ予定の方は、事前にお住まいの自治体窓口に対象になるかどうかを確認しておくと安心です。
振込口座は申請者名義であることが必要
振込先は、故人名義の口座ではなく、申請者(喪主など)名義の口座を指定する必要があります。故人名義の口座は亡くなった時点で凍結されることが一般的なため、この点は事前に確認しておきましょう。
労災・生活保護は別の制度になる
業務上・通勤中の事故などで亡くなった場合は、健康保険の埋葬料ではなく労災保険から「葬祭料(葬祭給付)」が支給される制度になります。また、生活保護を受けていた世帯の場合は、生活保護法に基づく「葬祭扶助」という別の制度があります。名称も申請先も異なりますので、混同しないよう注意してください。葬儀費用の負担が難しい場合の対処法は、葬儀費用が払えないときの対処法で詳しく解説しています。
相続税の対象外・相続放棄をしても受け取れる場合がある
葬祭費・埋葬料は、故人の遺産そのものではなく、申請者に対して支給される給付金という性質のものであるため、原則として相続税の課税対象にはならないとされています。また、相続放棄をした場合でも、葬祭費・埋葬料は遺産分割の対象財産とは異なる性質のものであるため、受け取れる場合があるとされています。ただし個別の事情によって判断が異なることもあるため、心配な方は税理士や自治体窓口に確認しておくと安心です。相続放棄を検討している方は、相続放棄の手続きと3ヶ月の期限もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 葬祭費と埋葬料、両方申請できますか?
A. 原則として両方を同時に受け取ることはできません。故人が加入していた保険の種類によって、どちらか一方が支給される仕組みです。
Q. 申請を忘れていたら、もう受け取れませんか?
A. 申請期限は原則として葬儀を行った日の翌日から2年以内です。期限内であれば申請できますので、まずはお住まいの自治体や加入していた保険者にご確認ください。
Q. 家族が遠方にいて自分が代わりに手続きしてもよいですか?
A. 一般的には喪主など実際に葬儀を執り行った人が申請者となります。詳しい取り扱いは自治体・保険者窓口にご確認ください。
まとめ
葬祭費・埋葬料は、故人が加入していた保険によって名称・金額・申請先が変わる制度です。まずは故人の保険証を確認し、国民健康保険・後期高齢者医療制度だった場合は自治体窓口へ、健康保険だった場合は協会けんぽや健康保険組合へ、それぞれ申請の手続きを進めましょう。申請期限は原則として葬儀翌日から2年以内ですので、他の死後手続きと合わせて早めに済ませておくと安心です。
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