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この記事でわかること
- 葬儀費用が払えないときにまず確認したい公的制度(葬祭扶助・葬祭費給付金)
- 手元資金がなくても使える預貯金の仮払い制度と注意点
- 分割払い・ローンを検討する前にできる費用の圧縮方法
まず結論
葬儀費用が払えないと感じたときは、いきなり借入を考える前に「減らせないか」「公的な支援はないか」「他に資金源はないか」の順で確認するのがおすすめです。生活保護世帯であれば葬祭扶助(ただし葬儀の前に申請が必要)、国民健康保険や後期高齢者医療の加入者であれば葬祭費給付金が使える場合があります。分割払いやローンは、これらを検討したうえでの最終手段と考えてください。
「葬儀費用が用意できない」「請求書が届いたけれど支払えるか不安」というご相談は、終活にまつわる情報発信をする中でも決して珍しいものではありません。突然の出費で貯金が足りない、故人の口座がすぐには使えない、家族間で分担の話がまとまらない…事情は人それぞれです。この記事では、今すぐ払えないとき・後で払える見込みがあるとき・そもそも費用を減らしたいときに分けて、使える制度と選択肢を整理しました。ひとつずつ、ご自身の状況に近いところから読んでみてください。
葬儀費用が払えない…まず知ってほしいこと
葬儀費用が払えないという状況は、決して特別なことではありません。葬儀は突然発生する出費であり、故人の口座が凍結されていて手元の現金だけでは足りない、というケースは多くの方が経験しています。まず大切なのは「払えないから諦める」のではなく、状況に応じた選択肢があると知ることです。
大きく分けると、対処法は次の3方向に整理できます。

- 公的制度を使って負担を減らす(葬祭扶助・葬祭費給付金・市民葬など)
- 手元にない資金を確保する(預貯金の仮払い制度・死亡保険金・親族での分担)
- 費用そのものを抑える(直葬・一日葬などシンプルな形式を選ぶ)
分割払いやローンは、これらを検討したうえでの最終手段です。焦って高い金利の借入を選ぶ前に、まずは公的な制度から確認していきましょう。
支払いを減らす公的制度

葬祭扶助=葬儀前の申請が原則
生活保護を受けている世帯など、経済的に葬儀費用を負担できない方のために、生活保護法第18条に基づく「葬祭扶助」という制度があります。故人が住んでいた市区町村、または葬儀を行う方が住んでいる市区町村の福祉事務所が窓口です。
ここで最も注意していただきたいのが、葬儀を行う「前」に申請しなければならないという点です。葬儀を終えてから「費用が払えないので扶助してほしい」と申請しても、原則として認められません。費用の支払いが難しいとわかった時点で、できるだけ早く福祉事務所に相談することが重要です。
葬祭扶助の対象となるのは、通夜・告別式・読経・戒名などを含まない「直葬(火葬のみ)」形式が基本です。基準額は地域の級地区分によって異なりますが、大人でおおむね18万円台〜21万円台程度が目安とされています(厚生労働省の基準による。子ども〈小人〉の場合はこれより低い基準額になります。地域差があるため、詳しい金額は必ず窓口でご確認ください)。この基準額に自己資金を上乗せして、通夜や告別式を行うといった使い方はできない点にも注意が必要です。
対象となるかどうかは世帯の状況によって異なりますので、迷ったときはまず福祉事務所の窓口に相談してみてください。
葬祭費・埋葬料の給付金
生活保護世帯でなくても、故人が加入していた公的医療保険から給付を受けられる場合があります。
- 国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合:喪主に「葬祭費」として1万円〜7万円程度が支給されます(自治体により金額が異なります。例として大阪市は5万円、練馬区は7万円などの例があります)。
- 健康保険(会社員などが加入する保険)の被保険者が亡くなった場合:「埋葬料」として一律5万円が支給されます。
いずれも自動的には支給されず、申請が必要です。申請期限は葬儀を行った日の翌日から2年以内とされていますが、忘れないうちに早めに手続きしておくと安心です。※上記の金額は2026年7月時点の情報です。詳しい金額や手続き方法は、お住まいの自治体の窓口や、故人が加入していた健康保険組合にご確認ください。
市民葬・区民葬という選択肢
自治体によっては、地元の葬儀社と提携して低価格の葬儀プランを提供する「市民葬」「区民葬」を実施している場合があります。一般の葬儀プランより費用を抑えられることが多いので、まずはお住まいの自治体のホームページや窓口で、こうした制度があるかどうかを確認してみるとよいでしょう。
手元資金がないときの工夫
預貯金の仮払い制度と相続放棄の注意
「故人の口座にお金はあるのに、相続手続きが終わるまで引き出せない」という悩みも多く聞かれます。この点については、相続法改正によって「預貯金の仮払い制度」が設けられており、遺産分割が終わる前でも、一定額までであれば相続人が単独で払い戻しを受けられるようになっています。
払い戻せる金額の目安は「口座残高×法定相続分×3分の1」で、1つの金融機関あたり上限150万円です。葬儀費用の支払いに充てたい場合は、金融機関の窓口で手続き方法を確認してみてください。
ここで一つ注意点があります。もし故人の借金など、相続放棄を検討している場合は、この仮払い制度を利用すると相続放棄ができなくなる可能性があります。預貯金を引き出す行為が「相続を承認した」とみなされることがあるためです。相続放棄を考えている、または故人の負債の有無がはっきりしない場合は、仮払い制度を使う前に必ず弁護士や司法書士など専門家に相談することをおすすめします。
死亡保険金の活用
故人が生命保険に加入していた場合、受取人が保険会社に請求すれば、比較的早く保険金を受け取れることがあります。葬儀費用の支払いに間に合うよう、心当たりのある保険証券がないか早めに確認し、受取人となっている方から保険会社に連絡してみましょう。請求から支払いまでの期間は保険会社や状況によって異なりますので、詳しくは各保険会社にお問い合わせください。
親族での分担と揉めないコツ
兄弟姉妹など複数の親族がいる場合は、費用を分担することも選択肢のひとつです。ただし、後々のトラブルを避けるためには、誰がいくら負担するのか、香典をどう扱うのかを、できるだけ早い段階で話し合い、記録に残しておくことが大切です。「多く払った」「聞いていなかった」といった行き違いは、葬儀後の親族関係に影を落としてしまうこともあります。負担が偏りそうなときほど、事前の一言が安心につながります。
分割払い・ローンは最終手段
葬儀社への分割交渉
すでに葬儀社から見積もりや請求が来ていて、一括での支払いが難しいと感じている場合は、まず葬儀社に正直に相談してみてください。葬儀社によっては分割払いに対応していたり、支払いスケジュールの調整に応じてくれたりすることがあります。連絡をためらって放置してしまうと、かえって選択肢が狭まってしまうことがあります。
カードローン・葬儀ローンの注意点
公的制度や親族での分担、費用の圧縮を検討したうえでも資金が足りない場合、カードローンや葬儀専用ローンを利用する方法もあります。ただし、これらには金利負担が発生します。急いでいるからといって条件をよく確認せずに契約してしまうと、後になって返済が家計を圧迫してしまうこともあります。借入を検討する際は、金利や返済期間、総返済額をしっかり比較し、できれば家族とも相談したうえで判断することをおすすめします。
費用そのものを抑える=直葬・一日葬という選択肢
そもそも費用の総額を抑えることも、有効な対処法のひとつです。通夜や告別式を省略して火葬のみを行う「直葬」や、通夜を行わず1日で完結させる「一日葬」は、一般葬に比べて費用を大きく抑えられる傾向があります。詳しい費用相場や流れについては、以下の記事でまとめていますので参考にしてください。
また、喪服を新調する費用も意外とかさむものです。参列する機会がそれほど多くない場合は、レンタルを利用するのも費用を抑える一つの工夫です。
すでに請求が来て払えない場合
すでに葬儀社から請求書が届いていて、支払期日までに用意できそうにない、という場合もあると思います。そのようなときは、一人で抱え込まず、できるだけ早く葬儀社の担当者に連絡することが何よりも大切です。連絡せずに支払いが滞ってしまうと、督促や延滞金といった形で状況が悪化してしまうことがあります。事情を説明すれば、支払い方法について相談に乗ってもらえることが多いので、まずは「払えそうにない」ことを伝えるところから始めてみてください。あわせて、この記事で紹介した葬祭費給付金や仮払い制度の利用も並行して検討するとよいでしょう。
よくある質問
Q. 葬祭扶助はどんな人でも申請できますか?
A. 生活保護を受けている世帯など、経済的な事情で葬儀費用を負担できない方が対象です。対象となるかどうかは世帯の状況によって異なるため、お住まいの福祉事務所にご確認ください。
Q. 葬儀が終わってから葬祭扶助を申請できますか?
A. 原則として認められません。葬祭扶助は葬儀を行う「前」に申請する必要があります。費用の支払いが難しいと感じた時点で、できるだけ早く福祉事務所に相談してください。
Q. 葬祭費給付金はいつまでに申請すればよいですか?
A. 葬儀を行った日の翌日から2年以内が目安とされています。手続きを忘れないよう、早めに済ませておくと安心です。詳しくはお住まいの自治体窓口にご確認ください。
まとめ
葬儀費用が払えないと感じたときは、まず「減らせないか」「公的な支援はないか」「他に資金源はないか」の順に確認してみてください。葬祭扶助は葬儀前の申請が条件、葬祭費給付金は葬儀後2年以内が申請期限と、それぞれ手続きのタイミングが異なります。預貯金の仮払い制度は便利な一方、相続放棄を考えている場合は慎重な判断が必要です。分割払いやローンは、これらを検討したうえでの最終手段として位置づけ、不明な点があれば一人で悩まず、福祉事務所や葬儀社、専門家に早めに相談してみてください。
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