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「家族葬にしたいけれど、費用はいくらかかるの?」「一般葬とどう違うの?」——大切な方を亡くしたばかりの方に、葬儀の形を決める時間はほとんどありません。
家族葬とは、近親者や親しい友人だけを招いて、小規模に行う葬儀のことです。近年、日本で最も選ばれる葬儀形式の一つになっています。
この記事では、家族葬の定義・費用の目安・当日の流れ・一般葬との違い・向く人と向かない人を、中立な立場でわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 家族葬とは何か・「家族葬」に法律上の定義がない理由
- 費用相場(葬儀費用のみ vs 総費用の違い)と内訳
- 当日の流れ(通夜あり・通夜なしの2パターン)
- お葬式の種類と流れ
- 向く人・向かない人の判断基準
- 「思ったより高くなった」追加費用のパターン
家族葬とは?定義と一般葬との違い
家族葬とは、家族・親族・親しい友人など、ごく限られた方だけを招いて行う小規模な葬儀です。家族葬の参列者はどこまで?は一般的に5〜30名程度で、通夜・告別式を行う点では一般葬と同じです。
「家族葬」には法律上の定義がありません
「家族葬」という言葉は法律・業界団体のどこにも正式な定義がなく、葬儀業界で広く使われるようになった言葉です。葬儀社によって「家族のみ10名以内」と案内する場合もあれば、「50名でも家族葬」と呼ぶ場合もあります。見積もりを取る際は、「何名まで参列できるか」「プランに含まれるものは何か」を必ず確認してください。
一般葬・直葬との違い
| 種別 | 参列者数 | 葬儀費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般葬 | 50〜200名以上 | 100〜200万円(平均約96万円・2026年鎌倉新書「お葬式に関する全国調査」より) | 地域・会社関係者も広く招く。香典収入が見込める |
| 家族葬 | 5〜30名 | 50〜150万円 | 近親者のみ。静かに見送れる。香典辞退が多い |
| 一日葬 | 5〜30名 | 40〜100万円 | 通夜なし・1日で完結。参列者の負担が少ない |
| 直葬(火葬式) | 0〜5名 | 15〜50万円 | 式を省略し火葬のみ。費用を最小限に抑えられる |
上記は各社公表値・業界統計をもとに編集部が作成した目安(2025年時点の参考値)です。地域・葬儀社・参列者数により実際の費用は大きく異なります。
家族葬の費用相場|「葬儀費用のみ」と「総費用」の違い
家族葬の費用を調べると、「50万円台〜」という数字と「150〜250万円(平均的には100〜130万円程度)」という数字の両方が出てきます。この差は含まれる項目が違うだけです。なお、平均的な家族葬費用は100〜130万円程度が目安です。
費用の2つの見方
- 葬儀費用のみ(葬儀社のプラン):棺・搬送・式場・火葬等。75〜110万円程度が目安(鎌倉新書 第5回全国調査・2022年・20名未満規模の実績値。2024年の第6回調査では家族葬全体の平均が105.7万円)
- 総費用(実際に支払った合計):上記+飲食費・返礼品・お布施・戒名料。150〜250万円程度が目安(各葬儀社の公開料金表をもとにした参考値(地域・プラン・オプションにより大きく異なります))
費用の内訳(標準的な家族葬・10〜20名規模の目安)
| 費用項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 棺・白装束・骨壷等 | 10〜30万円 | プランのグレードにより大差 |
| 遺体搬送・安置 | 3〜10万円 | 距離・深夜割増で変動 |
| 式場使用料 | 10〜30万円 | 公営は安価、民営は高め |
| 祭壇・花祭壇 | 10〜40万円 | 規模・デザインで大差 |
| 火葬費用 | 3〜10万円 | 公営は安価(地域により無料も) |
| 遺影・霊柩車・スタッフ費 | 10〜25万円 | セット費用として含まれることが多い |
| 返礼品(1人あたり) | 3,000〜5,000円 | 参列者数×単価 |
| 精進落とし(飲食) | 3,000〜10,000円/人 | 会場・内容による |
| お布施(寺院・僧侶へのお気持ち) | 30〜50万円程度 | 見積もりに含まれないことが多い。業界統計では平均22万円程度の事例も多いが、宗派・寺院・関係性により数万〜数十万円の差が出る |
| 戒名(法名)に関するお布施 | 0〜100万円以上 | ランク(院号・居士等)により大差。事前に菩提寺へ確認を |
上記は2025年時点の参考値であり、あくまで目安です。宗教・宗派・地域・葬儀社によって実際の費用は大きく異なります。
実際、国民生活センターには2025年度に葬儀関連の相談が917件寄せられており、記録の残る2016年度以降で最多だったといいます。このうち527件(52.6%)が「高価格・料金」に関する相談、382件が「説明不足」に関する相談だったとのことです(出典:国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」)。見積もりの内訳は、契約前にしっかり確認しておくと安心です。
「思ったより高くなった」追加費用のパターン
家族葬でよくある「見積もりより高くなった」ケースには、共通したパターンがあります。
見積書に含まれていないことが多い費用
- ドライアイス代(安置日数×追加請求)
- 深夜・早朝搬送料(通常の1.5〜2倍)
- 遺体安置施設使用料(マンションで自宅搬入が難しい場合)
- 祭壇・装飾のオプション追加
- お布施・戒名料(見積もりの外になることが多い)
- 後日弔問者への返礼品代
見積もりを取る際は「この金額以外に何がかかりますか?」と必ず確認してください。
家族葬の流れ
家族葬には「通夜あり(2日間)」「通夜なし・一日葬(1日)」の2パターンがあります。
パターンA:通夜あり(2日間)
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 逝去直後 | 医師の死亡確認・死亡診断書受取→葬儀社に連絡(24時間対応) |
| 搬送・安置 | 遺体を自宅または葬儀社安置室へ搬送→日程・プラン打ち合わせ |
| 前日までに | 死亡届の提出・火葬許可証の取得・訃報連絡(招く方のみ) |
| 1日目:通夜 | 納棺の儀→通夜式(読経・焼香・約1時間)→通夜振る舞い |
| 2日目:告別式 | 告別式(最後のお別れ)→出棺→火葬場へ→火葬(40〜90分)→収骨→精進落とし→解散 |
パターンB:通夜なし・一日葬(1日)
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 逝去後〜前日 | パターンAと同様(搬送・安置・打ち合わせ・準備) |
| 当日:午前 | 納棺の儀→告別式(通夜なし) |
| 当日:午後 | 出棺→火葬場→火葬(40〜90分)→収骨→精進落とし(省略するケースも)→解散 |
一日葬は通夜の式場費・スタッフ費が不要で家族葬の費用を安く抑えるコツやすく、高齢の参列者の体力的な負担も少なくなります。ただし、僧侶への依頼内容(通夜なしの場合の読経等)を事前に確認しておく必要があります。
「母の家族葬は近親者10名で行いました。通夜もゆっくりと過ごせて、久しぶりに会う親戚と母の思い出を話せる時間が取れました。一般葬では対応に追われていたと思うので、家族葬にしてよかった」(50代・家族葬を選んだ方のご経験をもとに編集部が構成した事例です)
家族葬のメリットとデメリット
家族葬のメリット
- 参列者対応の負担が少ない:挨拶・接待の手間が大幅に減る
- 故人・家族の意向を優先できる:大勢への配慮が少なくて済む
- 近しい人だけでゆっくりお別れできる:「最後の時間を家族だけで」という希望に応えやすい
- 喪主・遺族の精神的負担が少ない:準備・当日の対応がシンプル
- 葬儀社プランの費用は抑えやすいケースが多い:参列者が少ない分、飲食費・返礼品が減る。ただし香典辞退や総費用ベースでは一般葬と大差ない場合もある
家族葬で注意が必要な点
- 後日弔問が増える:呼ばれなかった方が自宅を訪ねるケースが多く、対応期間が長引くことがあります
- 香典辞退で費用負担が増える場合がある:一般葬では香典収入で費用の一部を賄えますが、家族葬で香典を辞退すると全額自己負担になります(例:参列者20名・香典1〜3万円の場合、香典収入は計20〜60万円。辞退するとこの分が全額自己負担になります)
- 地域・職場コミュニティへの配慮が必要:特に地方や旧来のコミュニティが濃い地域では、「呼ばれなかった」と感じる方が出る場合があります
- 葬儀社選びを誤ると逆に高くなるリスク:プラン外費用が積み上がるケースがあります。複数社の見積もり比較が重要です
家族葬に向く人・向かない人
家族葬が向いている方
- 故人・家族が「静かに送りたい」と希望している
- 故人の交友関係が限定的(高齢・長期入院・おひとりさまなど)
- 会社関係・地域コミュニティとの付き合いが薄い
- 費用を抑えたい(葬儀社プランは参列者が少ない分抑えやすいが、総費用では一般葬と大差ない場合もある)
- 故人が生前に「派手な葬儀は不要」と意思表示していた
慎重に検討が必要な方
- 故人が地域の役職・会社の要職についていた
- 旧来の地域コミュニティに密着した生活をしていた(特に地方)
- 遠方の親族が多く、葬儀が唯一の親族集合機会になっている
- 後日の弔問対応が長期間続くことへの懸念がある
まとめ
家族葬のポイントまとめ
- 家族葬とは、近親者のみを招く小規模な葬儀。「家族葬」に法律上の定義はなく、葬儀社によって内容が異なるため、見積もり時に内訳の確認が必須
- 費用は葬儀費用のみ(プラン)と総費用(飲食・返礼品・お布施込)で大きく差がある。目安は葬儀費用のみ75〜110万円、総費用150〜250万円(鎌倉新書 2022年調査・20名未満規模の参考値)
- お布施・戒名料・深夜搬送料は見積もりに含まれないことが多い。「プラン以外に何がかかるか」を必ず確認する
- 通夜あり(2日間)と一日葬(1日・通夜なし)の2パターンがある。どちらも逝去当日に終わるわけではない
- 後日弔問対応・香典辞退による費用負担増・地域コミュニティへの影響が主なデメリット。事前に親族間で合意を形成しておくことが大切
- 複数社から見積もりを取り、含まれる項目・含まれない項目を比較してから決定することをおすすめする
家族葬は、近しい人だけで静かにお別れできる形式として、多くのご家族に選ばれています。費用・プランの中身は葬儀社によって大きく異なるため、事前の情報収集と比較が何より大切です。この記事が、大切な方を見送る準備の参考になれば幸いです。
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