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この記事でわかること
- 基本調査74項目の群構成と、資料によって総数の表記が揺れることがある事情
- 調査当日の流れと、家族の立ち会いがなぜ勧められているか
- 群ごとに当日メモしておきたいポイント
- 演技や誇張をすすめない理由
この記事は、母の要介護認定調査に立ち会った水野そらが、公的機関の一次情報をもとに編集しました。
まず結論
要介護認定の認定調査は、全国共通の基本調査74項目と特記事項で構成されています。この記事では7群のうち、家族が当日向き合う第1群〜第5群と特別な医療(第6群)に絞って解説します。項目・判断基準は全国一律なので、普段の様子をありのまま伝えることが大切です。実際より重く見せる対応は不正受給のリスクになるため避けてください。
「認定調査で何を聞かれるのか分からず不安」「本人の前でうまく答えられるか心配」——要介護認定を申請すると、必ずこの認定調査を経験します。申請の手順や30日の流れ全体は要介護認定の申請方法|7段階の区分と30日で認定される流れで解説しています。
家族が当日メモしておきたいこと|群別チェック表

何をメモすればいいか分からず、当日になって慌てる家族は少なくありません。群ごとに聞かれやすい場面を意識してメモを作っておきましょう。
| 群 | 見られやすいポイント | 当日メモしておくこと(記入例) |
|---|---|---|
| 第1群 身体機能 | 歩行・立ち上がり・視力聴力など | 一人で歩ける距離、手すりが無いと立てないか |
| 第2群 生活機能 | 食事・排泄・着替えなど | むせる頻度、トイレ介助が必要な時間帯 |
| 第3群 認知機能 | 意思疎通・短期記憶・見当識など | 同じ話を繰り返す頻度、生年月日や今の季節を答えられるか |
| 第4群 精神・行動障害 | 感情の波・昼夜逆転・介護への抵抗など | 夜中に落ち着かなくなる時間帯、大声を出すきっかけ |
| 第5群 社会生活への適応 | 服薬管理・金銭管理・買い物など | 薬を飲み忘れることがあるか、一人で買い物できるか |
| 第6群 特別な医療 | 点滴・経管栄養・褥瘡処置など | 過去14日間に受けた処置、通院・訪問看護の頻度 |
メモは箇条書きで十分です。
第1群〜第5群+特別な医療|項目数と確認される内容

各群の項目数と、判定に使われる評価軸は次の通りです。
| 群 | 項目数 | 主な評価軸 |
|---|---|---|
| 第1群 身体機能・起居動作 | 13項目 | 能力/介助の方法/有無 |
| 第2群 生活機能 | 12項目 | 能力/介助の方法/有無 |
| 第3群 認知機能 | 9項目 | 能力/有無 |
| 第4群 精神・行動障害 | 15項目 | 有無 |
| 第5群 社会生活への適応 | 6項目 | 能力/介助の方法/有無 |
| 第6群 特別な医療 | 12項目 | 有無 |
| 群 | 項目名 |
|---|---|
| 第1群(13項目) | 麻痺等の有無/拘縮の有無/寝返り/起き上がり/座位保持/両足での立位保持/歩行/立ち上がり/片足での立位/洗身/つめ切り/視力/聴力 |
| 第2群(12項目) | 移乗/移動/えん下/食事摂取/排尿/排便/口腔清潔/洗顔/整髪/上衣の着脱/ズボン等の着脱/外出頻度 |
| 第3群(9項目) | 意思の伝達/毎日の日課を理解/生年月日や年齢を言う/短期記憶/自分の名前を言う/今の季節を理解する/場所の理解/徘徊/外出すると戻れない |
| 第4群(15項目) | 物を盗られたなどと被害的になる/作話/泣いたり、笑ったりして感情が不安定になる/昼夜の逆転がある/しつこく同じ話をする/大声をだす/介護に抵抗する/「家に帰る」等と言い落ち着きがない/一人で外に出たがり目が離せない/いろいろなものを集めたり、無断でもってくる/物を壊したり、衣類を破いたりする/ひどい物忘れ/意味もなく独り言や独り笑いをする/自分勝手に行動する/話がまとまらず、会話にならない |
| 第5群(6項目) | 薬の内服/金銭の管理/日常の意思決定/集団への不適応/買い物/簡単な調理 |
| 第6群(12項目) | 点滴の管理/中心静脈栄養/透析/ストーマ(人工肛門)の処置/酸素療法/レスピレーター(人工呼吸器)/気管切開の処置/疼痛の看護/経管栄養/モニター測定/じょくそうの処置/カテーテル |
※項目名・群構成は厚生労働省老健局「認定調査票記入の手引き」による。項目名を数えると67ですが、同じ通知は審査判定の場面で「74項目」とも表記しています。麻痺(5部位)・拘縮(4部位)を部位ごとに数えると第1群が20項目になり、62+12=74になるとされています。認定調査は介護保険法27条2項に基づく全国共通の調査です(出典:厚生労働省「要介護認定に係る制度の概要」)。
基本調査はコンピュータによる一次判定の材料になります。判定の仕組み全体は要介護認定は誰が決める?判定に関わる6者の役割早見表つきで解説しています。
手すり・歩行補助の介護用品
調査当日の歩行や立ち上がりでも話題になりやすい、手すりを探すなら(※認定後は介護保険の福祉用具貸与の対象になる場合があります。購入前にケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください)
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当日の流れと目安時間|家族の立ち会いはどこまで必要か
調査員は市区町村の職員か、委託を受けた指定市町村事務受託法人などです。当日は身分証と認定調査票を持参するのが一般的で、提示を求めても失礼にはあたりません。不安なら事前に自治体の窓口へ問い合わせておくと安心です。
認定調査は、自宅や入院先・入所先を訪ね、聞き取りと簡単な動作確認を行う形です。所要時間はおよそ30〜60分が目安ですが(出典:昭島市「要介護(要支援)認定調査」)、一つの自治体案内の一例で、本人の状態により前後します。
立ち会いは必須ではありませんが、本人だけで答えると実際より軽く伝わることがあるため、家族の同席が勧められています。意思疎通が難しい場合は関係者の同席が望ましいとされています(出典:中野区「介護保険に関するよくある質問」)。都合がつかない場合は、事前連絡で電話などから様子を伝えられます。入院中は看護師が同席することもあり、可否は医療機関の判断のため、入所先が決まった時点で確認を。
当日、手元にあると答えやすいものの例です(自治体から持ち物の指定があればそちらを優先してください)。
- 介護保険資格者証または申請時の控え(被保険者証は申請時に市区町村へ提出しているのが一般的です)
- お薬手帳
- かかりつけの病院名・診療科のメモ
- 普段の様子をまとめたメモ(前項の群別チェック表を活用)
本人の前で言いにくいことの伝え方
調査は本人と一緒に受けるのが基本ですが、症状を本人の前で話しにくい場面もあります。
母の認定調査のとき、当日はいつもよりしっかり受け答えをしていて、このままでは実際より軽い判定になるのではと焦りました。調査員がメモを取っている間に、さりげなく「普段はもっと介助が必要です」と一言添えたのを覚えています。※個人の体験です。普段の状態を事実どおり伝えた例であり、認定結果を動かす目的で受け答えを変えることをすすめるものではありません。
こうした場合は、事前にメモを準備しておくと、その場で言葉に詰まらずに済みます。具体的な伝え方は次の通りです。
口を出すタイミングは、①その場で短く答える・補足する、②言えなかったことは終了後に玄関先か自治体の窓口を通じて伝える、③メモにして渡す、の3通りがあります。どれが正解というものではなく、本人の性格やその日の様子に合わせて選べる程度に捉えてください。調査は当日の様子だけでなく普段の状況(能力の項目はおおむね過去1週間、精神・行動障害の項目はおおむね過去1か月)で判断するとされ、家族が補足するのは「普段の事実」を伝えるためであって、できることを「できない」と言い換えることではありません。
やってはいけないこと|演技・誇張は不正受給のリスクになります
「もっとできないふりをすれば介護度が上がる」という話を耳にすることがありますが、事実と異なる状態を装うのは不正受給にあたるおそれがあります。調査票は基本調査と特記事項に矛盾がないか確認され、審査会では主治医意見書ともあわせて判定されるため、実際と違う受け答えは整合が取れにくくなります(出典:厚生労働省老健局「認定調査票記入の手引き」(老老発第930002号))。介護保険法では、偽りその他不正の行為による保険給付は、市町村が価額の全部または一部を徴収できると定められています(出典:介護保険法22条1項(e-Gov法令検索))。大切なのは、普段の状態をありのまま伝えることです。
結果を待つ約30日の過ごし方
認定調査のあとは一次・二次判定を経て、申請から30日以内を目安に結果が通知されます(準備状況により前後し、日数は保険者で差があります)。待機期間も介護の負担は続くため、保険外サービスを選択肢に入れておくと負担を分散できます。
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よくある質問
Q. 調査で聞かれていないのに、家族が口を挟んでもいいですか?
A. 普段の様子と違うなら、事実として補足して構いません。その場で答える・終了後に伝える・メモを渡す、から選べます。できることを「できない」と言うのは避けてください。
Q. 本人が「できます」と言ったら、その場で訂正していいですか?
A. 状況次第です。言いにくい場合は、終了後に玄関先や窓口を通じて伝える、事前にメモを渡す、といった方法もあります。
Q. 本人が調査を嫌がったらどうすればいいですか?
A. 無理に急がせず、日を改められないか調査員や窓口に相談しましょう。普段の様子をメモにまとめておくと伝えやすくなります。
まとめ
- 基本調査は全国共通の74項目。調査票は7群構成で、家族が当日向き合うのは第1群〜第5群と特別な医療(第6群)の6つ
- 群ごとの項目名を数えると67、麻痺・拘縮を部位ごとに数えると74。どちらも同じ調査で、中身は変わらない
- 当日はおよそ30〜60分が目安、普段の様子を知る家族の立ち会いが勧められている
- 群ごとにメモを準備しておくと、聞かれたときに慌てずに答えられる
- 演技や誇張は不正受給のリスク。普段の状態をありのまま伝えることが大切
案内が届いたら、まずは群ごとのメモ欄を埋めるところから準備を始めてみてください。
認定を受けたあとの有効期間や更新手続きは、要介護認定の有効期間と更新手続き|満了60日前からの流れで解説しています。
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