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この記事でわかること
- 準確定申告とは何か、普通の確定申告や相続税申告との違い
- 「知った日の翌日から4ヶ月以内」という期限の考え方
- 申告が必要な人・不要な人・した方が得な人の見分け方
- やり方5ステップと必要書類
まず結論
準確定申告は、亡くなった方(被相続人)に代わって相続人が行う所得税の申告です。期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」。相続税申告の期限(10ヶ月以内)とは別物なので、混同しないよう注意してください。年金収入のみで一定額以下だった方などは申告不要になるケースもありますが、医療費控除や源泉徴収の還付が受けられる場合は、申告した方が得になることもあります。
終活について発信をしていると、「相続税の申告は聞いたことがあるけれど、準確定申告は初めて聞いた」という声をよく見聞きします。実は、私自身も父を見送ったとき、死亡後の手続きリストの中にこの言葉が出てきて戸惑った一人です。この記事では、準確定申告の基本から期限、やり方までを、実務的な順番でわかりやすく整理しました。
準確定申告とは?普通の確定申告との違い
準確定申告とは、その年の1月1日から亡くなった日までの所得について、本人に代わって相続人が行う所得税の確定申告のことです。通常の確定申告は本人が翌年2月16日〜3月15日に行いますが、本人が亡くなっている場合はこの通常のスケジュールに乗せることができないため、別の期限・手続きが設けられています。
誰が申告する?相続人と付表
申告するのは相続人です。相続人が複数いる場合は、原則として各相続人の氏名や納付・還付税額などを記載した「付表」を添付し、連署(全員の署名)で1通の申告書を提出する形が基本とされています。ただし、事情により各相続人が別々に提出することも可能で、その場合は自分の申告内容を他の相続人に通知する必要があります。誰が代表して手続きを進めるか、早い段階で相続人同士の話し合いをしておくとスムーズです。
相続税申告との違い=4ヶ月と10ヶ月の2段階の期限
準確定申告と相続税申告は、対象も期限もまったく別の手続きです。準確定申告は「故人の生前の所得税」を精算するもので期限は4ヶ月以内、相続税申告は「相続した財産そのもの」にかかる税金で期限は10ヶ月以内。どちらも起算点は「相続の開始があったことを知った日の翌日」で共通していますが、期間の長さが違います。この記事でも、記事末で紹介する「死亡後の手続き一覧」の中の一つとして、まず準確定申告(4ヶ月)を押さえ、その後に相続税申告(10ヶ月)に進む、という時系列で捉えるとイメージしやすいと思います。

期限は「知った日の翌日から4ヶ月」
起算点の考え方
期限の起算点は、亡くなった日そのものではなく「相続の開始があったことを知った日」の翌日です。多くの場合は死亡日と同日か、それに近い日になりますが、疎遠だった親族が亡くなったことを後から知った、といったケースでは起算点がずれることもあります。この考え方は国税庁のタックスアンサー(No.2022)に基づくもので、相続税申告の起算点とも表現が揃っています。
1〜3月に亡くなった場合の注意点
1月1日から3月15日の間に亡くなった場合で、故人がまだ前年分の確定申告をしていなかったときは、前年分の申告と、亡くなった年の準確定申告の両方が必要になることがあります。該当しそうな場合は早めに税務署へ確認することをおすすめします。
期限を過ぎたら?延滞税・無申告加算税
期限内に申告・納税ができなかった場合、延滞税や無申告加算税の対象になり得ます。葬儀や各種手続きに追われて後回しになりがちな手続きですが、期限を意識しておくことが大切です。一方で、還付を受けるための申告(納める税金がなく、逆に戻ってくるケース)については、期限後であっても5年以内であれば申告できるとされています。「納税が必要そうなら急ぐ、還付になりそうなら少し落ち着いてからでも間に合う」というイメージを持っておくと、優先順位をつけやすくなります。
申告が必要な人・不要な人・した方が得な人
「うちは対象なのか」を最初に判断できると、その後の動き方が決めやすくなります。以下はあくまで一般的な目安です。個別の状況によって判断が変わるため、迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。
必要なケース
- 故人が事業所得や不動産所得があった(自営業・大家業など)
- 給与所得が2,000万円を超えていた
- 2ヶ所以上から給与を受けており、年末調整されなかった給与収入と他の所得の合計が20万円を超えていた
- 生前に確定申告を毎年行っていた
不要なケース
年金収入のみで、その年金収入が400万円以下、かつ年金以外の所得が20万円以下だった場合など、通常の確定申告不要制度に準ずる要件を満たす場合は、準確定申告も不要とされるのが一般的です。ただし、これは目安であり、個々の所得の内訳によって判断が変わるため、該当するか迷う場合は税務署にご確認ください。
還付になる典型3パターン
申告義務がない場合でも、次のようなケースでは申告することで税金が還付される可能性があります。
- 生前に多額の医療費を支払っていた(医療費控除)
- 年金や給与から所得税が源泉徴収されていた
- 事業所得などで予定納税をしていた
終活にまつわる情報発信をする中でも、「義務ではないと思って何もしなかったが、実は還付があった」という話を見聞きしたことがあります。義務がないからと自己判断で終わらせず、一度状況を確認してみる価値はあると思います。なお、還付された税金は相続財産として扱われ、相続税の課税対象になる点も覚えておいてください。

やり方5ステップと必要書類
- 対象かどうかを確認する(前章の要否判定を参考に、迷う場合は税務署へ)
- 相続人を確定し、代表者・提出方法を決める(連署か、各自提出+通知か)
- 必要書類を集める(下記チェックリスト参照)
- 申告書と付表を作成する
- 故人の死亡当時の納税地の税務署へ提出する(e-Taxも利用可能)
必要書類チェックリスト
- 故人の源泉徴収票(給与・年金)
- 故人の医療費の領収書・明細
- 生命保険料控除証明書など各種控除証明書
- 故人と相続人の関係がわかる戸籍謄本など
- 相続人全員の本人確認書類・マイナンバー
付表の書き方と署名・委任状
相続人が複数いて連署で提出する場合は、付表に各相続人の氏名・住所・相続分などを記載し、それぞれが署名します。遠方に住んでいる、体調面で難しいなどの事情がある場合の対応方法については、税務署や税理士に確認しながら進めるのが安心です。
提出先とe-Tax
提出先は原則として、故人の死亡当時の納税地を管轄する税務署です。e-Taxを使ってオンラインで提出することも可能で、税理士に依頼する場合は税務代理権限証書などを添付して手続きが行われます。
よくある質問
年金受給のみだった親でも必要ですか?
年金収入が400万円以下で、他の所得が20万円以下であれば、通常は申告不要とされるケースが多いです。ただし、源泉徴収されていた税金の還付を受けられる可能性もあるため、源泉徴収票を確認してみることをおすすめします。判断に迷う場合は税務署へご確認ください。
相続人が複数いる場合、付表の署名は代筆できますか?
原則は本人による署名が求められます。体調や遠方といった事情で難しい場合の対応については、税務署や税理士に相談しながら進めるのが確実です。自己判断で代筆せず、事前に確認することをおすすめします。
年金の源泉徴収票が期限までに届かない場合は?
源泉徴収票の発行が期限に間に合わない場合は、早めに発行元(年金機構など)や税務署に相談してください。状況によって案内される対応が異なるため、個別に確認することが大切です。
自分でやるか、税理士に頼むか
故人の所得の種類がシンプル(年金のみ、給与のみなど)であれば自分で対応できるケースも多いですが、事業所得や複数の所得が絡む場合、相続人が多く連署が煩雑になりそうな場合は、税理士に依頼した方がスムーズなことがあります。相続税申告もあわせて必要になりそうな場合は、早い段階で専門家に相談しておくと、その後の手続き全体を見通しやすくなります。
相続に関する手続きは、準確定申告や相続税申告だけでなく、不動産の名義変更(相続登記)などもあわせて発生することが多いです。まとめて相談できる窓口を探している場合は、こうしたサービスを利用するのも一つの方法です。
まとめ
準確定申告は、亡くなった方の所得税を「知った日の翌日から4ヶ月以内」に相続人が申告する手続きです。相続税申告(10ヶ月以内)とは別の期限であることを押さえ、まずは自分のケースが申告の対象になるかどうかを確認するところから始めてみてください。医療費控除や源泉徴収の還付が受けられる場合もあるため、「義務がないから関係ない」と決めつけず、一度状況を整理してみることをおすすめします。判断に迷う点があれば、税務署や税理士など専門家への相談も検討してください。
実際に申告が必要かどうかの判断や、書類の書き方に迷う場合は、税務署または税理士にご相談ください。
死亡後の他の手続きについては、こちらの記事でまとめて確認できます。
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