墓じまいのお金がない|補助金の調べ方と「今はしない」選択肢

墓じまいのお金がない|補助金の調べ方と「今はしない」選択肢 お墓・供養・墓じまい

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この記事でわかること

  • 自治体の補助金を自分で調べる3ステップ
  • 「今はしない」を選ぶと法律上どうなるか
  • 費用を「減らせる・後ろに回せる・削れない」に仕分ける方法
  • 親族に切り出す分担案の作り方

この記事は、両親の墓じまいで親族間のお金の話し合いを経験した水野そらが、公的機関・法令の一次情報をもとに編集しています。

まず結論

墓じまいのお金がないときは、まず自分の墓が公営墓地かどうかを確認し、自治体の補助金の有無を調べましょう。そのうえで相見積もりと改葬先の見直しで費用そのものを減らし、それでも足りない分は親族と分担します。いったん「今はしない」という選択も、法律で禁じられているわけではありません(ただし管理費の滞納だけは避けてください)。

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「墓じまいをしたほうがいいのは分かっている。でも、まとまったお金がすぐには用意できない」——検索でこのページに来た方は、そう感じているのではないでしょうか。私自身も、両親の墓を近くの合葬墓に移す話になったとき、最初につまずいたのは工事の段取りより先に「総額でいくら要るのか」「兄弟で誰がいくら出すのか」というお金の話でした。

費用を「減らせる・後ろに回せる・削れない」に仕分ける

墓じまいの費用を減らせる・後ろに回せる・削れないに仕分ける図解

墓じまいの総額はおよそ30万円〜100万円が目安とされていますが、内訳をひとつずつどうにかしようとすると身動きが取れなくなりがちです。そこでまず費用の性質ごとに仕分けると、優先順位が見えてきます。

分類 当てはまる費用 考え方
減らせる 撤去工事費(墓石の解体・撤去、目安10万円〜30万円)・新しい納骨先の費用(合葬墓で目安5万円〜20万円) 相見積もりを取る、合祀や樹木葬に変えることで下げられる
後ろに回せる 離檀料(法令上の定めはなく、目安3万円〜10万円)・お布施 支払いのタイミングを遅らせる、または分割して用意する余地がある
削れないもの 改葬許可申請の手数料(自治体により無料〜数百円程度)・区画を更地に戻す義務そのもの(金額は上の撤去工事費に含まれます) 行政手続きや墓地の使用規則で決まっており省略できない
補助金 自治体の撤去費助成・使用料還付 自治体の補助・還付制度は、多くの場合「その自治体が運営する公営墓地(市営・町営・都立など)の使用者」を対象にしており、寺院墓地や民営霊園は対象外とされているのが一般的です

墓石の大きさや基数、山間部で重機の搬入が難しい立地、遺骨の数が多い場合などは、費用が高くなる傾向があります。閉眼供養(魂抜き)を省略できるかどうかは宗教的な判断になるため、この記事では断定せず、菩提寺や供養先に相談してください。撤去工事の相見積もりの基本的な取り方はこちらにまとめました。

お金がないときにできる主な対処法

費用が用意できないときの対処法は、次の7つです。

  1. 相見積もりを取る:同じ工事内容でも石材店によって見積額に差が出ることがあります
  2. 改葬先を見直す:個別のお墓ではなく合祀・樹木葬・手元供養にすると新しい納骨先の費用を抑えられます
  3. 自治体の補助金を確認する:公営墓地なら撤去費の助成や使用料の還付がある場合があります
  4. 親族で分担する:承継者1人で抱え込まず、費用の話だけを切り出して相談します
  5. 分割払いやローンを検討する:墓じまい費用が使途に含まれるか、年金受給中でも申し込めるかは金融機関・商品によって異なります
  6. 両家墓にまとめる:配偶者側の墓と一緒にすることで管理をひとつに減らせます
  7. 寺院・霊園の管理者に事情を話す:離檀料や閉眼供養の進め方について相談できることがあります

申し込む前に必ず金融機関へ条件を確認してください。両家墓にまとめる場合は家名や宗派の扱いを、寺院・管理者に事情を話す場合は支払い時期の相談ができるかどうかを、事前に確認しておくと安心です。

自治体の補助金は「名前」でなく「調べ方」を知っておく

自治体の補助金の調べ方3ステップの図解

補助金は自治体ごとに条件も予算も違い、年度途中で受付を終了することもあります。千葉県市川市の霊園一般墓地返還促進事業は、2026年5月22日時点で「使用料の還付及び原状回復費用の助成については、予算額に達したため受付を終了しました」とあります(受付終了前の助成限度額は75,000円〜440,000円)。一方、千葉県浦安市の墓所返還者等支援事業の例では、墓石撤去費助成の上限が15万円、合祀室使用料は遺骨1体(生前予約は1人)につき35,000円の自己負担で、対象は市営墓地公園の使用許可者に限られます。同じ千葉県内でも制度や受付状況はこれだけ違うため、自治体名より次の3ステップで確認するほうが確実です。

  1. 自分の墓が「公営・寺院・民営」のどれかを確認する(補助金の対象は原則として公営墓地に限られます)
  2. 公営なら、霊園管理事務所か市区町村の担当課に、下表のどの支援があるか、今年度の受付が続いているかを聞く
  3. 制度があっても「返還後に申請して通知を受ける」といった順番が決まっていることが多いため、工事の前に申請のタイミングを確認する

支援の中身は、自治体によって次の3つの型に分かれます。

支援の型 内容の例
①撤去費の助成 墓石の解体・撤去工事費の一部を助成(浦安市の例では上限15万円)
②使用料の還付 墓地の使用料を納めていた場合、返還時に一部が戻る
③合葬墓への改葬支援 市営の合葬墓・合祀墓へ無償または低額で改葬できる制度

出典:市川市 霊園一般墓地返還促進事業(市の掲載は令和8年5月22日現在・当サイトは2026年9月6日に確認)/浦安市 墓所返還者等支援事業

制度の有無・金額・受付状況は年度や自治体によって変わるため、最新の情報は必ず窓口で確認してください。

私自身は経験しませんでしたが、寺院墓地では出入りの石材店以外に依頼できない決まりになっていることがあります。その場合は一括見積もりサービスは使えません。代わりにできるのは、改葬先を合祀・樹木葬・手元供養など費用の低いものに見直すこと、そして寺院の管理者に率直に事情を話し、離檀料や閉眼供養の進め方について相談することです。

親族に「お金の話だけ」を切り出す

承継者が1人で費用を抱え込みがちですが、誰が墓を継ぐかという重い話と、工事費用の分担というお金の話は分けて切り出すほうが進みやすいと、私自身の経験から感じています。相見積もりを取ったあとの見積書をそのまま親族に見せ、次の3パターンのどれにするかを相談すると、話が具体的になります。

分担案 考え方
人数割り 兄弟姉妹などで均等に分ける。金額の大小で揉めにくい
承継者多めに お墓を継ぐ人が多めに負担し、他は定額を出す
出せる人が出す 収入や生活状況に応じて出せる範囲で出し合う

誰に相談するかは親族の同意の取り方で扱っています。

代行を頼むと石材店に直接依頼するより費用が上乗せされる場合があります。まずは自分でできる範囲を確認したうえで検討してください。

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「今はしない」という選択肢は法律上どうなるのか

「今年度は動かない」という選択肢も、法律上まったく取れないわけではありません。祭祀財産(お墓や仏壇)の承継について定めた民法897条は、慣習や指定、家庭裁判所の判断で承継者を決める規定であり、条文上「放棄」という手続きは定められていません。条文上、承継者に祭祀を行う義務を課す明示的な規定もありません。

つまり「継ぐ人を決める」規定はあっても、「お墓を維持しなさい」と法律が命じているわけではありません。ただし「何もしなくていい」という意味ではなく、多くの墓地の管理規則ではおおむね次のような流れが想定されています。

  1. 墓地の管理費(年間数千円〜2万円程度と幅があります)を滞納する
  2. 各墓地の管理規則に基づき、使用許可が取り消される
  3. 使用者や縁故者と連絡が取れない場合は無縁墳墓として扱われ、官報への掲載と現地への立札の掲示(墓埋法施行規則3条が定める1年間の公告)が行われる
  4. 公告後、管理者が改葬許可を得て合葬墓などに改葬(合祀)される

これは「不幸になる」という話ではなく、いったん合祀されると遺骨を個別に取り出せなくなる、撤去費用の扱いが墓地側の規則次第になるという点です。連絡が取れる場合は、管理規則に基づいて墓石の撤去や原状回復の費用負担を求められることがあります(金額や扱いは各墓地の規則によります)。改葬許可の書類作成は行政書士、承継や親族間の争いなど個別の法律判断は弁護士に相談することをおすすめします。

出典:民法897条(e-Gov法令検索・民法)/墓地、埋葬等に関する法律施行規則3条(e-Gov法令検索)

⚠️ 管理費の滞納だけは放置しない

「今はしない」を選ぶ場合でも、管理費の支払いだけは続けておくと、使用許可の取り消しや無縁墳墓化を防ぎやすくなります。負担が難しいときは、滞納する前に霊園管理事務所か市区町村の担当課に相談してください。

離檀料を高く請求されたときの相談窓口

離檀料には法律上の明確な基準がなく、金額は当事者間の話し合いで決めるのが実情です。それでも高額な請求に納得がいかない場合は、消費者ホットライン188に相談できます。

出典:国民生活センター よくある質問(離檀料)

交渉の進め方や金額の値切り方はこの記事では扱いません。個別の交渉は専門家の領域になるため、もめている場合は早めに窓口を頼ってください。

よくある質問

Q. 補助金は寺院墓地や民営霊園でも申請できますか?
A. 多くの自治体で対象は公営墓地に限られ、寺院・民営墓地は対象外とされています。まず管理事務所に確認しましょう。

Q. 寺院の指定石材店しか使えないと言われました。相見積もりは取れますか?
A. 指定がある場合、一括見積もりは使えません。改葬先を費用の低いものに見直すなど、他の方法で費用を抑えましょう。

Q. 補助金の申請から入金まで、どのくらいかかりますか?
A. 自治体や制度によって異なり、一次情報では具体的な期間は確認できていません。工事の前に、担当課で申請から入金までの流れを確認しておくと安心です。

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まとめ

  • 墓じまいの総額は30万円〜100万円が目安。まず内訳を確認する
  • 自治体の補助金は「公営墓地かどうか」から確認し、今年度の受付状況を窓口に聞く
  • 費用は「減らせる・後ろに回せる・削れないもの」に仕分けると動きやすい
  • 親族には見積書をもとに分担案を示すと話が進みやすい
  • 「今はしない」という選択も取れるが、管理費の滞納だけは放置しないほうがよい

まずは自分の墓が公営・寺院・民営のどれかを確認し、霊園管理事務所や市区町村の窓口に「補助金の有無」と「今年度の受付状況」を聞くところから始めてみてください。

この記事を書いた人

両親や義理の家族を見送った経験から「やさしい終活ガイド」を運営しています。特定の業者に偏らず、葬儀・お墓・相続の手続きなどの費用相場や流れを、公的な情報や一次情報をもとに中立にお伝えします。(相続・税・法律の個別のご相談は専門家へおつなぎします)

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