永代供養で位牌はどうする?4つの扱い方と後戻りの可否

永代供養で位牌はどうする?4つの扱い方と後戻りの可否 お墓・供養・墓じまい

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この記事でわかること

  • 位牌の4つの扱い方
  • 後戻りできるかの違い
  • 浄土真宗での考え方

この記事は、両親と義父の位牌をどうするか家族で話し合った経験を持つ水野そらが、公的機関・寺院の一次情報をもとに編集しています。

まず結論

永代供養墓や樹木葬に切り替えても、位牌そのものは①自宅で保管②一時的に預かってもらう③位牌を永代供養してもらう④閉眼供養のうえでお焚き上げする、の4通りから選べます。跡継ぎがいる場合や気持ちが決まらない場合は、後戻りできる①か②から。自分の代で区切りをつけたい場合は、③④も選択肢に入ります。

永代供養墓や樹木葬を検討し始めると、次にぶつかるのが仏壇に残った位牌をどうするかという悩みです。手放していいのか、家に置いたままでいいのか、菩提寺には聞きづらいという方も多いのではないでしょうか。

位牌をどうするか、4つの選択肢

位牌は、戒名(法名)と没年月日を記した木の札で、故人の依り代として仏壇に安置されてきました。お墓と違い全国共通の決まりはなく、実際に選ばれているのは次の4つです。

①自宅で保管する

永代供養墓に切り替えたあとも、位牌はそのまま仏壇に置いておいて構いません。費用はかからず、気持ちの整理がついてから②〜④に進むこともできます。4つの中でもっとも後戻りしやすい方法です。

ただし、自分が亡くなったあと位牌がどうなるかも考えておくと安心です。位牌のような祭祀(さいし)財産は、通常の相続財産とは別に扱われ、故人(被相続人)の指定があればその人が、指定がなければ慣習に従って祭祀を主宰する人が引き継ぐとされています(民法897条)。誰が引き継ぐかは家族の事情により異なるため、供養の続け方は菩提寺に、引き継ぎで意見が分かれそうな場合は弁護士などの専門家に相談しつつ、早めに家族で話し合っておきましょう。

②一時的に預かってもらう

菩提寺や、永代供養先として検討している寺院・納骨堂によっては、位牌を一定期間だけ預かる制度を用意していることがあります。年単位の預かり料がかかる場合が多く、金額は依頼先ごとに幅があるため、契約前に見積もりで確認してください。預けたあとも引き取れるため、こちらも後戻りできる方法です。

③位牌そのものを永代供養してもらう

寺院に位牌を託し、読経などの供養を続けてもらう方法です。寺院によっては33回忌・50回忌などの節目で他の位牌とまとめて合祀され、以降は個別の位牌としては戻ってこないこともあります。合祀の時期や返却の可否は施設ごとに異なるため、契約前に確認しておきましょう。

費用は寺院によって差があります。たとえば四天王寺(大阪市)では、寺院が用意する位牌に先祖の名を刻んで安置する形で、五重塔内に安置する「五重位牌」が1万円、「永代位牌奉安」が30万円、「永代供養位牌」が35万円と、同じ寺院の中でもプランによって1万〜35万円まで差があります(2026年9月確認・四天王寺公式サイト)。金額は寺院ごとに公表額が異なるため、検討先には個別に確認してください。

お墓自体を永代供養にする場合の費用については、永代供養とは?費用・種類・後悔しない選び方で解説しています。

④閉眼供養のうえでお焚き上げする

位牌に宿るとされる魂を抜く「閉眼供養」(宗派によって呼び方や要否は異なります)をしたあと、お焚き上げに出して手放す方法です。4つの中でもっとも不可逆な選択で、一度お焚き上げに出すと位牌そのものは手元に戻りません。

最近は、位牌や仏壇、過去帳などをまとめて梱包し、宅配便で送るだけで供養からお焚き上げまで代行してくれるサービスも増えています。寺社への直接持ち込み以外に、キットの申し込み・梱包・発送のあと提携する寺院・神社で供養が行われ、完了すると証明書が届くという流れが一般的です。受け付ける品目や、位牌のように「魂が宿る」とされる品への対応可否は業者によって差があるため、位牌についても対応可否を申し込み前に公式サイトで確認するとよいでしょう。

「後戻りできるか」で選ぶと迷わない

位牌の4つの扱い方と後戻りできるかの比較表

4つの選択肢は、費用や手間だけでなく「あとから変更できるかどうか」でも大きく違います。次の表で整理しました。

方法 費用の目安 あとから変更できるか
①自宅で保管 かからない できる(いつでも②〜④へ変更可)
②一時的に預かり 施設により幅あり(要確認) できる(引き取り可能)
③位牌の永代供養 例:1万〜35万円(四天王寺) できない(合祀後は返却不可)
④閉眼供養+お焚き上げ 業者や依頼先によって幅がある(要確認) できない(手元に戻らない)

跡継ぎがいる場合やまだ気持ちが決まらない場合は、①か②のように後戻りできる方法から。跡継ぎがおらず、自分の代で区切りをつけたい場合は、③④も検討の対象になります。まず可逆な②を選び、様子を見てから決めるという進め方もあります。

誰の位牌かで、選べる方法が変わる

個人の位牌と繰り出し位牌の違いの図解

位牌には、故人1人分の「個人の位牌」と、先祖代々の位牌をまとめた「繰り出し位牌(回出位牌)」があります。柱数が多いほど費用や手間が増えることがあるため、依頼前に自宅の位牌が何柱あるか数えておくと見積もりの話がスムーズです。

繰り出し位牌の一部だけを永代供養に出し、残りは自宅保管にする分け方ができるかは寺院や依頼先によって対応が分かれるため、契約前に確認しておくと安心です。

浄土真宗は位牌を用いない:過去帳・法名軸が基本

浄土真宗(本願寺派)は、位牌ではなく、故人の法名・俗名・没年月日などを記した「過去帳」や「法名軸」を用いるのが教義に沿った形とされています。本願寺派の公式サイトでも、過去帳について「先祖の記録帳のようなもので、亡き人の法名、俗名、死亡年月日などを記しておきます」と説明されています(浄土真宗本願寺派 よくあるご質問)。

ただし地域やご家庭によっては、浄土真宗でも位牌を用いている例があります。うちはどうすればよいか迷う場合は、地域の慣習に合わせるか、菩提寺・住職に確認するのが確実です。なお浄土真宗では、位牌や仏壇に魂が宿るという考え方をとらないため「閉眼供養(魂抜き)」は行わないとされています。仏壇を移す・手放す際には、ご本尊に対して「遷座法要」「遷仏法要」と呼ばれるお勤めをお願いするのが一般的です。呼び方や要否はお寺によって異なるため、菩提寺にご確認ください。

過去帳

過去帳や法名軸への切り替えを考えている方は、種類やサイズを見比べてみましょう。

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墓じまい→永代供養の流れの中で、位牌はどう扱う?

先祖代々のお墓をたたんで永代供養に切り替える「墓じまい」を進めるなかでも、位牌をどうするか迷う方は少なくありません。ここで押さえておきたいのは、改葬許可の手続き(墓地、埋葬等に関する法律)が対象にしているのは遺骨(焼骨)であり、位牌や仏壇はこの許可手続きの対象ではないという点です(厚生労働省・墓地、埋葬等に関する法律)。位牌の扱いは役所の手続きと切り離し、家族のペースで決めて構いません。

一方で、墓じまいそのものがまだ済んでいない場合は、まず墓石を扱う石材店選びから始まります。複数の石材店から見積もりを比べたい場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。たとえば「墓石ナビ」は無料で利用でき、条件に合う複数の石材店から見積もりが届く仕組みで、契約の義務もありません(2026年9月確認・墓石ナビ公式サイト)。

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親族への切り出し方

墓じまいや石材店選びが済んでも、位牌をどうするかは家族の気持ちの整理という、また別の話です。「位牌を手放すなんてバチが当たるのでは」「元気なうちに整理したいのに、家族の反対で決められない」——こうした声は、終活の発信を通じてよく耳にします。どちらの気持ちも間違いではなく、まず正否を決めつけずに受け止めることが出発点です。

いきなり③④を切り出すと話がこじれやすいので、まずは①自宅保管や②一時預かりのような、後戻りできる方法を提案してから相談するのがおすすめです。「今すぐ手放すわけではなく、まずは預かってもらうだけ」という提案なら、迷っている家族も賛成しやすくなります。

実は我が家でも、実家に残る位牌の扱いで意見が分かれたことがあります。「まだ手放せない」という空気の中、まず提案したのは永代供養やお焚き上げではなく、菩提寺への一時預かりの相談でした。「いつでも引き取れる」という安心感から、家族の気持ちも少しずつ落ち着いていきました。

よくある質問

Q. 自宅に位牌を置いたままにしておくと、自分が亡くなったあとはどうなりますか?
A. 自宅に位牌を置き続けることについて、法律上の決まりはありません。ただし位牌のような祭祀財産は、故人の指定があればその人、なければ慣習に従って祭祀を主宰する人が引き継ぐとされています(民法897条)。誰に託したいかを元気なうちに伝えておくのが、いちばんの備えです。

Q. お焚き上げに出す前に閉眼供養は必要ですか?
A. 一般的には必要とされていますが、宗派や依頼先で考え方が異なるため、菩提寺や業者に確認するのが確実です。

Q. 跡継ぎがいない場合は、どの方法を選べばいいですか?
A. 決まりはありませんが、気持ちが決まらない場合は①②から、自分の代で区切りをつけたい場合は③④も検討する、という選び方があります。迷う場合は菩提寺や永代供養先に相談してみましょう。

まとめ

  • 位牌の扱いは①自宅保管②一時預かり③位牌の永代供養④閉眼供養+お焚き上げの4通り
  • ①②は後戻りできるが、③④は基本的に手元に戻せない
  • 個人の位牌か繰り出し位牌かで、費用や選べる方法が変わることがある
  • 浄土真宗は位牌でなく過去帳・法名軸が基本(地域差あり)
  • 改葬許可の対象は遺骨のみで、位牌の扱いは切り離して考えてよい

迷ったときは、まず後戻りできる方法から試し、家族や菩提寺と相談して決めましょう。

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この記事を書いた人

両親や義理の家族を見送った経験から「やさしい終活ガイド」を運営しています。特定の業者に偏らず、葬儀・お墓・相続の手続きなどの費用相場や流れを、公的な情報や一次情報をもとに中立にお伝えします。(相続・税・法律の個別のご相談は専門家へおつなぎします)

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